主婦の水野さん函教大卒業 学業と家事両立の4年間

update 2012/3/21 12:23


 15日に行われた道教育大函館校(函館市八幡町)の卒業式で、函館市柏木町の水野明美さん(49)が卒業証書を受け取った。一度は諦めた教員の夢をかなえるため、4年前に入学。主婦と学生の2役をこなし、勉学に励んだ。4月からの教員の正規採用とはならなかったが、1日も早く教壇に立つ日を待っている。

 水野さんは中学生のころ、教員の夢を抱いたが、家庭の事情で断念し、高校卒業後、情報系の専門学校に進学した。順調に就職し、その後、教員の夫と結婚。歩んだ道に後悔や未練はなかったが、35歳の時、転機が訪れた。

 当時、通っていた英会話スクールで米国・サンディエゴに1カ月ほど留学し、そこで知り合った仲間や学生たちに刺激を受けた。「結婚していようが、働いていようが年齢に関係なく挑戦していた。やろうという気持ちが大切だと実感した」。帰国後、再び教員を目指す決意を固めた。夫の後押しもあり、2007年ごろから受験勉強を始め、社会人入学制度の受験で人間地域科学課程(国際文化・協力専攻)に合格し、08年4月に入学した。

 専攻の科目の他に教員免許取得に必要な科目も履修。1講目から6講目までびっしり講義の日もあり、研究や教育実習などで帰宅が午後9時になることもあったという。講義の合間の空き時間には自宅に戻り、家事や食事の支度をおろそかにすることはしなかった。

 「落とせない科目ばかりでとにかく必死だった。覚悟がなければできなかった」と水野さん。一方で応援してくれた人たちへの感謝の思いも口にする。

 大学で高校、中学の英語、国語と小学校の教員免許を取得。ただ、教員採用試験は資格年齢を超えて受験できなかったため、臨時採用による教職の道を探る。「諦めないことの大切さを伝えることができる教員になりたい。子どもたちが未来へ踏み出す時、力になってあげたい」と、誓いを新たにしている。

提供 - 函館新聞社


前のページにもどる  ニュースをもっと読む


ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです