五稜郭病院 道南初のカプセル内視鏡導入
update 2012/3/21 12:22
函館五稜郭病院(函館市五稜郭町38、老松寛院長)はこのほど、口から飲み込んで小腸内部を撮影する「カプセル内視鏡」を導入した。道南の病院では初めて。体への負担や苦痛が少なく、従来の内視鏡で難しかった小腸検査に効果が期待されている。
カプセル内視鏡は2007年10月に保険診療の適用となった。高精度カメラが内蔵され、直径1・1センチ、長さ2・6センチ。検査時、患者の腹部8カ所にコードの付いたセンサーを貼り、画像を記録するデータレコーダーを装着したうえで、カプセル内視鏡を飲んでもらう。
飲み込まれた内視鏡は腸の蠕動(ぜんどう)運動で移動しながら撮影。1秒間に2枚、検査に要するおおむね8時間で約5万7000枚の撮影が可能で、画像はレコーダーに送信される仕組みとなっている。カプセル内視鏡は使い捨てで、排便時に体外に排出される。
同内視鏡の検査は外来患者向けで、カプセルを飲んだ後、帰宅して通常の生活、仕事もでき、2時間後から水が飲め、4時間後から軽食も可能という。
保険適用となるのは、上部消化器官(胃、十二指腸など)、下部消化器官(肛門、大腸など)を先に検査して異常がなく、それでも消化管出血の原因が特定できない時。消化管の狭窄(きょうさく)や閉塞がみられる場合や診断済みのクローン病、人工肛門造成術などの外科手術を受けた人、心臓ペースメーカー使用者には使えない。
小腸の疾患数は他の臓器と比べ少ないが、長さ6〜7メートルで、口からも肛門からも遠い位置にある臓器のため、これまでの検査手法では内部の状態を的確にとらえるのは困難だった。特に粘膜のただれや潰瘍、腫瘍は見つけにくく、カプセル内視鏡はこれらの病変の発見が期待される。
同病院消化器内科の小林寿久科長は「小腸疾患の診断、治療に有効に活用していきたい」と話している。
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