水産珍味販売高513億円 震災で代替受注増

update 2012/3/15 11:01


 函館特産食品工業協同組合(石尾清広理事長、組合員56社)の2011年(1〜12月)の珍味加工品販売高は、前年を8%上回る513億5382万円となった。500億円に達したのは19年ぶりで、1991年(約520億円)、92年(約518億円)に次ぐ過去3番目の金額。東日本大震災の影響による代替受注の増加が数値を押し上げた。

 同組合は函館市、北斗市、知内町の珍味加工業で構成。組合員のうち、前年と同じ48社分を集計した。主力のイカ製品と、タラ・タコ・その他製品を合わせた全体の出荷量は4万5496トン(前年比9%増)となり、出荷量、金額ともに前年より伸びた。

 区分別では、イカ製品が3万842トン(同12%増)、325億5839万円(同14%増)。このうち、塩辛が1万1387トン(同31%増)、66億3443万円(同26%増)と大幅増。また、イカを主としたその他生鮮珍味(イカ飯など)が3045トン(同50%増)、27億6640万円(同64%増)、スルメさきいかが1511トン(同3%増)、29億6610万円(13%増)。

 タラ・タコ・その他製品は1万4654トン(同4%増)、187億9542万円(前年と同額)だった。

 東北の水産加工施設が被災したことで、函館での代替生産が増えたことに加え、震災を受け保存性の高さや調理が簡単な食品に対するニーズが高まったためとみられる。

 ただ、製品平均単価が1キロ当たり1129円となり、前年を9円下回った。91年(1456円)、92年(1404円)と比べても落ち込みが目立っている。

提供 - 函館新聞社


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