震災がれき、太平洋セメント上磯工場が処理先に浮上

update 2012/3/14 12:22


 震災がれきの処理にかかわり、野田首相がセメントや製紙業界など、がれきを原材料として活用できる民間への協力要請を拡大する方針を示したことを受け、「太平洋セメント上磯工場」(北斗市飯生1)での受け入れの可能性が浮上している。従前からセメント製造過程で廃棄物を原材料や燃料として使用していることから技術的には可能で、道などの正式な要請があれば、同工場での処理が進むとみられる。

 同社本社(東京都)のIR広報グループは函館新聞の取材に「一般的な廃棄物処理の技術について、道との意見交換はある」とした上で、「(上磯工場での)震災がれき処理の正式な依頼や要請は現時点ではない。国や道が意志決定をした上でのことで、当社主導で進む話ではない」とした。 東日本最大のセメント工場である上磯工場の年間最大生産能力は390万トン。震災で被災した同社の大船渡工場(岩手県大船渡市)では、同県の要請で同市や陸前高田市のがれきを処理し、製品化している実績もある。同広報は「正式な要請があった場合に、どの地域のどのようながれきを受け入れるのかなどを決めた上で、セメントの成分として適合するかを検討する必要がある。現時点で上磯工場での受け入れができるとは言えないが、北斗市や地域の理解なしには進めることはできない」としている。

 高谷寿峰市長は13日、仮に同工場でがれきを受け入れることになった場合には市の同意も必要とし、「安全性や経費、住民の理解など、全体の条件が整えば、被災地と痛みを分かち合わなくてはならないとの考えは持っている」とした。同日の市議会予算審査特別委員会では「岩手のがれきには放射性物質は含まれていないか、検出されたとしても微量ではないかと考えている。話があれば議会とも協議をしながら慎重に進めたい」と述べた。

提供 - 函館新聞社


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