津波検証 市内7町内で浸水…東日本大震災あす1年

update 2012/3/10 11:48


 2011年3月11日午後2時46分、太平洋三陸沖を震源として発生し、本道や東北から関東の東日本一帯に甚大な被害をもたらした東日本大震災から11日で1年を迎える。函館市の7日までのまとめによると、西部地区を中心に津波による浸水で死者1人、被害額は住宅や市有施設、漁業・漁船で約14億3783万円に上っている。特に函館朝市などに大きな被害をもたらした津波について検証する。

 気象庁によると、函館市海岸町にある検潮所が観測した津波の第一波は11日午後4時15分で1・9メートル。最大は同11時35分で2・4メートルだった。このほか道南では、森町で最大1・64メートル(午後7時36分)、せたな町で最大24センチ(同7時15分)、江差で最大15センチ(同9時28分)だった。

 函館海洋気象台は14日、職員が函館港周辺で聞き取りによって浸水区域を調べた。最も北は海岸町のJR函館運転所。若松町の函館駅前から国道279号(市電通り)の函館港側で、大手町、豊川町、末広町、大町、弁天町の一部と分かった。同調査では市内大町の海上自衛隊函館基地隊で2・6メートル、弁天町の函館マリーナで2・5メートルの高さだったことも明らかになった。岬の先端や湾の奥などの地形では波が集中するためと思われる。

 函館朝市では、11日午後4時半ごろから浸水が始まり、同5時ごろに一帯が冠水状態となった。時間が経つにつれ浸水は増し、建物の損壊も発生するようになった。ベイエリアのホテルなどでは客や従業員の車両が浸水。市内全体の車両被害は789台で金額は不明。商業施設や飲食店では店内清掃に追われたほか、漏電の復旧工事に時間を要したため、営業再開まで1カ月以上かかるところもあった。

 今月7日現在、市が把握している被害は、床上浸水575棟、床下浸水91棟で被害額は計約12億4182万円。市水産物地方卸売市場(豊川町)が一部損傷するなど、市の施設被害額は約8668万円。漁船は転覆4隻、破損など7隻で約5246万円の被害。養殖コンブなどの漁業被害は約5687万円となった。

 市内の観光関係者は「東北新幹線の全線開通(10年12月)後、卒業旅行などの春の観光シーズンを迎える時期だっただけに、ダメージは大きかった」と話している。

提供 - 函館新聞社


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