道南農試が水稲、黒大豆の新品種開発

update 2012/3/1 10:16


 【北斗】道総研道南農試(北斗市本町)は、いもち病の本田薬剤散布が不要な水稲新品種「空育172号」と、ダイズシストセンチュウ抵抗性が強く、従来より収量が多い黒大豆の新品種「中育63号」を開発した。いずれも道南向けで、172号は「ななつぼし」、63号は「晩生光黒」と「いわいくろ」に代わる品種として期待が大きい。2013年から農家での栽培が可能となる。

 同農試が28日、同市農業振興センターで開いた「第14回道南農業新技術発表会」で、同農試の宗形信也主査が報告。農家やJA職員ら約140人が参加した。

 新品種は、中央農試(空知管内長沼町)との共同研究で育種した。172号は「ふっくりんこ」の子ども。試験の結果、穂いもち病抵抗性は「ななつぼし」の「やや弱」、「きらら397」の「中」に対し、172号は「やや強〜強」だった。道内で栽培される水稲品種の中で最も強いレベルの抵抗性を持つという。割れもみが少なく、食味はななつぼし並みかやや勝り、熟期がやや遅いのも特徴。宗形さんは「減農薬栽培のななつぼしのほとんどに置きかえることで安定生産を行い、クリーン農業を一層推進し、さらに道産米の普及拡大に対する優位性を向上させたい。また、一般栽培のななつぼしの一部に置き換え、いもち病防除のコスト低減を図り、収益性を確保したい」と述べた。普及見込み面積は道南などで3000ヘクタール。

 63号は、道内で栽培される黒大豆で初めてダイズシストセンチュウ抵抗性を持つ。試験では収量は「いわいくろ」より平均8%多い。百粒重量は56・1グラムで、「いわいくろ」(51・5グラム)より大きく、「晩生光黒」(55・4グラム)並みだった。「晩生光黒」のすべて、「いわいくろ」の一部と置き換えて普及、「16年には道南で300ヘクタールに普及したい」(宗形さん)。

 172号の白米の試食もあり、参加者が食味を確かめていた。

提供 - 函館新聞社


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