函館市新年度、電柱に「海抜○メートル」表示板

update 2012/2/29 10:14


 函館市は新年度、津波で浸水が想定される沿岸部の230カ所に海抜を表示する看板を設置する。東日本大震災を受け、市民の防災意識を高め、津波から避難する際の目安にしてもらう狙い。既存の電柱に掲示することで経費を最小限に抑え、新年度予算案に128万円を盛り込んだ。

 市は2010年2月のチリ地震に伴う津波を契機に海抜表示板の整備を検討。東日本大震災後は市民から「自分の地域がどの程度の高さなのか分からない」といった声が多く寄せられていたため、新年度から順次設置していくことを決め、年内に整備を完了したい考え。

 表示板はトタン製で縦40センチ、横33センチ。南茅部地区の岩戸町から旧市内の港町3までの海沿いの市道を中心に500b間隔で整備。反射板に青地に白抜きの文字で「この地面は海抜○m」などと表示する。上部には「津波に注意」とする日本語に加え、海外からの観光客らへの配慮から英語表記もつけた。

 看板は電柱広告と同じ要領で、地上から1.5bメートル高さに巻き付けて設置。市総務部によると、単体で設置する場合に比べて設置費用が安く済み、設置場所の土地代や設置後の保守作業も含めて大幅にコストを削減できるという。同部は「日常的に見てもらうことで津波の際の避難に役立ててほしい」としている。

 函館開発建設部も昨年9月までに、市内海岸部の国道61カ所に標高や「津波注意!」と記した注意喚起の表示板を1キロごとに設置している。このほか、市は津波発生時の避難場所や予想浸水区域を記した「津波ハザードマップ(災害予測図)」や避難所の地図などを盛り込んだ家庭用の「防災ハンドブック」を10年ぶりに大幅改訂し、市内に全戸配布する予定。

提供 - 函館新聞社


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