ベビーリーフ 栽培技術確立…道南農試
update 2012/2/28 11:25
道総研道南農試(北斗市本町)は、5種類以上の葉菜類の若葉をミックスした「ベビーリーフ」の栽培技術を確立した。軽量で高齢者でも扱いやすい上、離農の増加により遊休化するハウスを有効利用できるのが特徴。高齢化率が全道一高い桧山管内に適した新顔野菜≠ナ、同農試は新年度から道南での希望者への栽培指導を本格化させる。
ベビーリーフは、ミズナやホウレンソウ、レタスなどの若芽を収穫しミックスした商品。サラダや料理のつけ合わせとして使われ、異なる野菜の味と香りが楽しめる。栄養バランスにも優れる。
研究の背景には、農村部で急速に進む高齢化の現状がある。桧山管内の高齢化率は、7町平均で33・6%(2011年10月1日現在)に達し、道内14振興局・総合振興局管内で最も高く、地域の活力維持に向けた対策が課題だ。
同農試は高齢者でも営農が継続でき、地域活性化に結びつく作物としてベビーリーフに着目。09年度から3カ年計画で、栽培法を研究してきた。
同農試のビニールハウスでは22品目を栽培。無加温ハウスで土耕栽培し、4〜10月に栽培が可能なことが分かった。
早いもので2週間、遅くても3週間程度で収穫できる。十分な収量を確保するには、1作で収穫を終えるのが望ましい。収量は平均すると1平方b当たり500cで、春先や秋口は同700〜800cと増え、逆に夏場は同300cと減る。収穫後に冷蔵庫で5度で保存すると約2週間もつという。
ビタミンC含有量は、ミズナや小松菜、カラシナなどのアブラナ科は高く、レタスなどのキク科は低かった。同農試の高浜雅幹(まさよし)研究主任は「1作当たりの収量は少ないが、短期間で収穫でき、同じ面積で何回も収穫できる。トータルすると、通常の野菜に比べ収量は同じくらいになる」と強調する。
栽培面では、種をまく量は1平方メートル当たり1000〜2000粒、施肥量は窒素で同6グラムが適当とした。作業時間は、火ばさみを加工した収穫補助具と包丁を使うと、通常のはさみを使った収穫に比べ半分になる。
10、11年度の2カ年で今金町内の3戸で試験栽培し、試験物が同農試の成果と変わらないことを確認。商品を直売したほか、地元飲食店で使ったところ「評判は上々」(同農試)と手応えをつかんだ。
市販品の価格は直売だと100〜150円(20〜30グラム入り)、スーパーだと100〜200円(20〜50グラム入り)。高浜さんは「除草を手作業に頼らざる得ないのが課題。まずは直売や飲食店向けに普及を進め、将来的には大規模生産につなげたい」と夢を膨らませる。
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