ものづくり大賞 優秀賞にコーノ 世界初 輻射熱利用の暖房機開発

update 2012/2/23 12:40


 暖房機器製造・販売のコーノ(函館市西桔梗町、阿部俊夫社長)が、第4回ものづくり大賞(経済産業省など主催)で優秀賞を受賞した。真空のパネル内部に発生させた蒸気の輻射(ふくしゃ)熱で温める暖房機で、自然対流型で効率的な暖房が可能。世界初の技術で、阿部社長は「既存の概念にとらわれない開発姿勢が評価された」とする。

 ものづくり大賞は、製造・生産現場の中核を担う人材や、伝統・文化的な技を支える熟練職人、今後を担う若手人材など、ものづくりに携わる優秀な人材を表彰する。今回は内閣総理大臣賞が19件(76人)、経済産業大臣賞・特別賞が19件(137人)、同・優秀賞が70件(322人)。同社への表彰式は28日に札幌市で行われ、道南からの受賞は同社のみ。

 同社は1979年に創業し、札幌やせたな町に営業所などを持つ。年間の売上高は約3億3000万円(11年9月期)。

 受賞対象となったのは「ヒートサイフォンの技術を利用した熱源内蔵FF式真空パネル暖房機(HPH)の開発」。長くボイラーや暖房器具の販売代理業務を行った経験を生かし、2000年から技術開発に取り組み、09年に製品化した。製品・技術開発部門での受賞で、受賞者には開発に携わった函館地域産業振興財団などの職員も含まれる。

 同暖房機の特徴は、輻射熱で穏やかに空間を温めるため、ほこりが舞い上がらず快適性が高い。省エネルギーや耐久性も高いといい、これまでに道内の学校や地方自治体の役場などに約400台の納入実績がある。1台当たりの価格は40〜60万円。同社は今後生産量を増やし、年間の販売数400台を目指す考え。

提供 - 函館新聞社


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