函館の問題点指摘…まちづくり講座
update 2012/2/22 10:54
函館のまちづくりについて考える函館市主催の第22回「まちづくり講座」が21日、ホテル函館ロイヤル(大森町)で開かれた。市民ら約200人が参加し、函館の街並みが抱える問題点や都市形成の変遷などについて東京の大学教授やシンクタンク研究員らが講演した。
講師は、市内の有識者がまちづくりのコンセプトを検討する「美しいまちづくり検討会」のアドバイザーで、東大副学長・先端科学技術研究センター教授の西村幸夫さんと、日本総合研究所調査部主席研究員の藻谷浩介さんのほか、同検討会座長の公立はこだて未来大教授の木村健一さんの3人。
藻谷さんは、全国で高い函館のブランドイメージについて「過大評価」ときっぱり。市の観光ポスターを例に「ピンポイントでは美しい景色があるが、中心市街地は空き地の集まり。函館山からの夜景も市民の生活のにおいがする美しさが年々失われている」として、人が住む市街地の重要性を説いた。改行 また、国立社会保障・人口問題研究所が示す函館の急速な人口減少予測を引き合いに「郊外の環状道路の開発など函館のまちづくりは間違っていた。病院や学校を中心部に戻すなど市街地への人口と機能を再集中させ、細部まで美しいまちづくりが生き残りの鍵だ」と強調した。
西村さんは開港都市の形成過程に着目し、「港町は横軸の発展が多いが、函館は個性のある縦の坂道が多いユニークなまちづくり。街の中に描かれた物語から景観をつくり、個性豊かに磨き上げて」と述べた。木村さんは同検討会での議論を踏まえ、「函館は動脈が機能しているが、周りの筋肉が落ちている」と指摘し、市街地に人を呼び戻す大切さを訴えた。
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