並行在来線五稜郭―木古内 負担割合「8対2」道が提案

update 2012/2/15 11:07


 北海道新幹線開業に伴い、JR北海道から経営分離される並行在来線の江差線五稜郭―木古内間(37.8)の旅客輸送に関し、鉄道維持方針を示していた道は14日、「1対1」と設定した道と沿線3市町の負担割合を撤回し「8対2」とする案を、第8回道南地域並行在来線対策協議会に提案した。沿線自治体はこの案を了承。運営形態と負担割合をめぐる道と沿線自治体の協議は事実上、決着した。

 協議会には道の高井修副知事と工藤寿樹函館市長、高谷寿峰北斗市長、大森伊佐緒木古内町長が出席。高井副知事は「熟慮の上」の提案であることを強調した。

 道はその上で、新たな負担割合を提示。8対2とした理由について、第三セクター方式で鉄道を運行する先行県の事例や、道の厳しい財政事情を考慮した結果だと説明した。他県では前例のない「折半」に対して3市町の間に強い反発と不信感が広がったことが背景にある。

 この負担割合を踏まえ、鉄道方式での30年間の累積赤字額は51億5900万円で、うち道の負担額は41億2700万円、3市町の負担額は10億3100万円と試算。開業当初から赤字経営が見込まれるため、道は「開業後一定期間が経過した後、事業形態や負担割合を再検討する」とした。

 3市町は8対2とする案を歓迎。費用は道が85%負担すべきと主張していた高谷市長は「100%とは言えないが、道の厳しい財政状況を考慮すると、市議会、市民に十分説明できる内容」と述べた。大森町長も「鉄道方式に向かっていける条件が整ってきた」、工藤市長も「道としても地域の交通を守るという強い決意を示していただいた」と評価した。

 また、高谷市長は3市町間の負担割合決定に向けて「さらに経費の圧縮、分離後の収入増も図っていかなければ。並行在来線に対する国の支援も協力を求めていく必要がある」と注文した。

 今後の焦点は2市1町の負担割合に移る。高谷市長は取材に対し、距離や駅舎数、利用客数などが算定根拠になるとし「大ざっぱに北斗市が半分くらいは負担することになるだろう。道に議論のたたき台を示してもらいたい」と述べた。仮に北斗市が50%を負担した場合、初期投資などを含めた開業10年間の負担額は約1億5000万円、年平均で1500万円となる。同市長は「市としてもおそらく負担に耐えることができる」とした。大森町長は「財政規模の違う町との協議になるので、当町の負担が少なくなれば、一緒に鉄路を守っていく方向に進む」との見解を示した。

 3市町は担当課長でつくる幹事会で負担割合を協議。道は3月の協議会で3市町の負担割合も含め方向性を決定する。

提供 - 函館新聞社


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