「漆文化は縄文の本質」 フォーラム

update 2012/2/12 11:02


 縄文時代の漆糸をテーマにしたフォーラムが11日、函館市縄文文化交流センター(臼尻町551)で開かれた。約40人が参加。専門家の講演とパネル討論で、漆文化の意義や縄文人の思いを探った。

 同センターとNPO法人三内丸山縄文発信の会(青森市)の主催。奈良文化財研究所(奈良市)の元調査部長、岡村道雄さんが基調講演し、函館市の垣ノ島遺跡で世界最古とされる9000年前の漆糸が見つかったことを紹介し「ウルシは他から持ち込まれたという説が主流だが、この地域に元から自生していた可能性が高いのでは」と指摘。祭りや晴れの衣装などに使われる漆製品の文化の始まりが、この土地からであることも示し「東北日本の縄文人が開発した漆文化・技術が日本列島内で個性的な発展を遂げたと考えられる」と説いた。

 2002年の埋文調査事務所の火災で、同遺跡出土の漆糸製品が多く失われたが、燃え残った一部から復元に取り組んだ様子も伝えた。最後に「漆文化は自然の生態を知り、自然調和を図った日本文化の基礎となった縄文文化の本質を示すもので、この土地で築かれた素晴らしい漆文化に自信を持って、世界遺産(登録へ)に弾みを」と述べた。

 国や道、地域が連携して取り組む「漆糸製品復元プロジェクト」に携わった関係者によるパネル討論も行われ、遺跡発掘調査の様子や専門機関で進められた研究内容などを事例報告。参加者は真剣にメモを取っていた。

提供 - 函館新聞社


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