歴風文化賞に5件
update 2012/2/8 11:49
函館の歴史的風土を守る会(歴風会、落合治彦会長)は7日、2011年度の「歴風文化賞」を発表した。歴史的な建造物の貴重性、持ち主の保存に対する努力や、郷土文化、景観へ寄与した個人などをたたえるもので、本年度は保存建築物として「旧真藤慎太郎邸」(函館市船見町7)「宇美ユキ子邸」(浜町437)、「黒滝美栄邸」(元町22)、「久保田利光邸」(北斗市飯生1)、原風景に「護国神社坂と高田屋嘉兵衛像」の計5件が選ばれた。
歴風文化賞は1983年度から始まり、本年度で29回目。函館や近郊の歴史ある建造物などを後世に残そうと、毎年表彰している。
旧真藤邸は大正末期に建てられた木造2階建て、和洋混合の建築物。日露漁業副社長だった真藤氏が、商談や接待の際に利用した。玄関横の洋風応接間が特徴的で、外観、室内とも創建当時の姿を残し、大正末期から昭和初期にかけての函館の住宅史を知る上で貴重とした。
宇美邸は、1895(明治28)年に漁家住宅として建造。木造平屋で和室が4室配置され、ふすまを取り外すと広々とした空間となり、漁の始めと終わりの宴や、結婚式などにも使われた。住宅東側には1915(大正4)年造の蔵があり、ともに創建時の姿で保存されている。
黒滝邸は34(昭和9)年の函館大火直後に建てられた、木造平屋の純和風住宅。外壁の下見板張りなどが創建時のまま保存され、黒に塗られた木の塀も重厚な雰囲気を醸し出している。「和風住居の存在を高め、昭和初期の西部地区の住宅の歴史を知る上で貴重」と評価された。
久保田邸は41(昭和16)年に建造。木造2階建ての純和風住宅で、創建当初から木製の窓枠を使い続けており、外壁との相乗効果で、外観に歴史的な重みを感じ取ることができる。玄関や廊下、縁側なども美しく保たれていることが受賞につながった。
また、護国神社坂と高田屋嘉兵衛像は、坂の両側に和風の並木が並び、公民館や歴史的に貴重な家屋が連なり、街並みを見守るように立つ嘉兵衛の銅像を「遠い過去より函館の歴史を見つめており、函館の原風景」と評している。
表彰式は17日午後6時半から、五島軒(末広町)で開かれる。
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