函館駅裏に高さ3メートルの防潮堤

update 2012/2/7 11:53


 東日本大震災に伴う津波被害を受け、函館市がJR函館駅裏の青函連絡船記念館摩周丸(若松町)周辺で整備していた高さ3メートルの防潮堤が完成した。増設された2カ所では津波による海水の流入が確認されていて、市は「これで万全ではないが、当面の緊急的な措置」として、今後は避難対策などソフト面に力を入れる方針だ。

 整備されたのは、以前に青函連絡船の発着などで使われていた若松ふ頭の2カ所の岸壁。一部で護岸がなかったり、低かったりした個所を既設の防潮堤の高さに合わせて延長した。昨年10月に着工し、同12月中旬に完成。市の独自事業で補正予算を計上し、総工費は約860万円。

 防潮堤はいずれも高さが干潮時の海面から3b。摩周丸後部では金属製の側溝ふたがあった掘割に長さ14.6メートルの防潮堤を海底から新設し、付近の雨水などが排水されるよう堤防の下部に海水が通り抜ける配管も設けた。駅裏側の道路に面した護岸56bはコの字型に増設し、既存の防潮堤の高さにそろえた。

 函館では震災時に最大波2.4メートルの津波を観測。店舗や設備などに冠水被害が相次いだ朝市の関係者が今回新設した2カ所から海水が流入するのを目撃していて、市に対策を求めていた。市港湾空港部は「国の予算も厳しい中、単独事業として早急に何らかの対策が必要だった」と話す。

 一方、昨年の津波では市水産物地方卸売市場や赤レンガ倉庫群などのある豊川地区も浸水被害が大きかったが、同部は「安全面だけで単純に防潮堤を設置すれば、漁船の荷さばきや観光地・ベイエリアの景観に大きな支障が出る」と説明し、今後は適切な避難のあり方などハード整備以外の対策を強化する考え。

提供 - 函館新聞社


前のページにもどる  ニュースをもっと読む


ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです