コンサドーレ札幌、函館で今季試合なし、観客席数の条件満たさず

update 2012/2/3 10:44


 サッカーJリーグ、コンサドーレ札幌が今季、函館で試合開催のないことが1日、分かった。試合会場の函館市千代台公園陸上競技場の観客席数が、Jリーグの規定に達していないため。コンサドーレは今シーズン、4年ぶりにJ1へ復帰し期待が高まっていただけに、地元関係者からは「せっかくJ1に昇格したのに」などと落胆の声が上がっている。

 コンサドーレの函館開催は2000年から毎年行われ、01年のガンバ大阪戦(J1)では1万5288人が来場。大勢のサッカーファンが来函することで観光や経済に効果があり、地域の子供たちにとってトップレベルのプレーを学べる機会だった。

 Jリーグの組織や運営に関する基本原則を定めるJリーグ規約では、J1の試合を開催するスタジアムの観客席は1万5000人以上としているが、芝生席は観客席とみなされない。同競技場の収容人員は約1万5000人だが、観客席は計6420人分しかない。J2も1万人以上必要だが、これまでは関係者の要望を受け開催されていた。

 08年にJ1に昇格した時は、同競技場を管理・運営する市文化・スポーツ振興財団の創立20周年記念事業として暫定措置が認められ、カップ戦(ヤマザキナビスコ杯)を実施。昨年11月、地元関係者が札幌のクラブ事務所を訪れ「カップ戦でも開催を」と懇願した。

 しかし、コンサドーレにはやむを得ない事情があった。Jリーグ各クラブは今季から、13年から導入される「Jリーグクラブライセンス制度」に準じた運営を行う。同制度は5分野の審査項目を設け、基準に達していないとクラブライセンスがはく奪される可能性があり、「施設」の基準に合わない函館と室蘭の開催をやめた。コンサドーレは「クラブとしても残念。地域とのつながりは大切。何らかの形で触れ合いを考えたい」と話す。

 函館サッカー協会の永沼秀興会長(71)は「覚悟はしていた。今の函館市の財政では、座席の拡充などは厳しい。ツアーを組み札幌へ応援に行きたいと思っている」、コンサドーレ札幌函館地区後援会長の佐古一夫函館市議(64)は「昇格したのに残念。クラブはこれまで函館開催に尽力してくれており、苦渋の決断だったと思う」。市内の主婦松下悦子さん(35)は「Jリーグは地方のクラブに対して配慮すべき」と話していた。

提供 - 函館新聞社


前のページにもどる  ニュースをもっと読む


ご注意:
●掲載している各種情報は、著作権者の権利を侵さないよう配慮の上掲載されるか、又は、各情報提供元の承諾の元に掲載されています。情報の閲覧及び利用については「免責事項」をよくお読み頂いた上で、承諾の上行って下さい。
●掲載中の情報の中には現在有効ではない情報が含まれる場合があります。内容についてはよくご確認下さい。

ページ先頭へ

e-HAKODATE .com
e-HAKODATEは、函館市道南の地域情報や函館地図、旅行観光情報、検索エンジンなど、函館道南のための地域ポータルサイトです