称名寺「円空仏」市文化財へ
update 2012/2/1 10:59
函館市船見町18の称名寺(須藤隆仙住職)に伝わる彫刻「円空作仏像観音像(円空仏)」が1月31日、函館市文化財保護審議会(折原久左エ門会長)から市に答申され、函館市指定文化財への指定が事実上決まった。同文化財指定は2008年10月以来で、件数は合わせて87件となった。8日の市教委定例会の議決を経て正式決定となる。
円空仏は称名寺の宝物館で所蔵。江戸期に日本各地を回って木彫りの仏像を残した円空上人が作者で、全国に残した約12万体のうちの一体。同円空仏は1666年に作られたとされている。
元々は福島町の観音堂に祀られ、その後海に投げ入れられたが、地元の漁師が偶然発見して所蔵。同家が1958年に同寺に寄進し、同寺が所有していた。
各地に伝わる円空仏としては初期のもので、この年代の代表作として称名寺型と呼ばれる。ほほ笑みを浮かべているのが特徴。作者が明確に分かるほか、同型が東北や関東などへも及ぶことから円空仏の変遷を把握する上で大きな価値があり、美術性にも優れていることが評価された。
同日は市役所で答申書の受渡式が行われ、折原会長から山本真也教育長に答申書が手渡された。折原会長は「円空仏は数が多いため、審議に約10年を費やした。素晴らしい作品なので、多くの人の目にとまってもらえれば」と話した。
須藤住職は「初期の作品なので丁寧に彫られ、本州からわざわざ見に来る人もいる。道南にある約40体はほとんど腐食しているが、この円空仏は保存がいい。一般の人にも自由に見てほしい」と話す。
円空仏は午前9時から午後5時まで、同寺で一般公開している。
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