函館千歳教会が新島襄の案内板設置
update 2012/1/30 11:44
函館から密航して渡米後、京都に同志社大を創設した新島襄(1843〜1890年)の精神を受け継ぐ函館千歳教会(函館市松陰町、井石彰牧師)が、教会前に「函館千歳教会と新島襄」と題した案内板を設置した。昨年迎えた教会創立110周年記念事業の一環で、教会と新島との関係を広く知らせるのが狙い。起点となった函館で、新島を知る新たなツールとなりそうだ。
教会は、新島が明治維新前夜、渡米するため脱国した記念の地に1901(明治34)年創立された。函館大火により3回も教会堂を焼失する苦難を乗り越え、新島の信仰と志を受け継いできた。34(昭和9)年の大火により教会堂焼失後、37(同12)年には「新島襄脱国記念会堂」として再建。その際に寄贈された新島の遺髪が今も教会に保管されている。現教会堂は85年(同60)年に建設された。
案内板は縦80a×横120a。新島が国禁を犯し函館から米国へ渡り、キリスト者となり大学で学んだことや、帰国後に同大の前身となる同志社英学校を創立した偉業を紹介。教会の歴史も盛り込んだ。井石牧師は「これまでは新島とのつながりを積極的にアピールしてこなかった。市民や観光客など、より多くの人に知ってもらえれば」と強調する。教会には、本州から修学旅行でキリスト教系の児童生徒が訪れることもあり、学習教材としても活用できる。
一方、妻八重(1845〜1932年)が、来年のNHK大河ドラマ「八重の桜」の主人公に決まり、函館の登場も期待される。実際、新島夫妻は1887(明治20)年7月に函館に立ち寄り、湯の川温泉に滞在し脱国の地(大町)周辺を散策したことが新島の日記に書かれている。
井石牧師は「夫婦2人で脱国した場所を歩くなど、函館もドラマのシーンに使われてくれればうれしい。市民の新島に対する認知度は深まっており、教会も新年度、新島に関する一般市民向けの集会が何かできないか検討したい」と一層の盛り上がりを期待する。
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