函館市の新年度固定資産税 8〜10億円減収見通し
update 2012/1/26 10:46
函館市は新年度の固定資産税評価替えに伴い、本年度から8〜10億円の減収を見込んでいる。厳しい不況に伴う地価下落に加え、住宅の新増築や工場など大規模施設の建設が伸び悩んでいるためで、職員給与削減で生み出される財源をほぼ相殺する格好。市は悪循環の打開策が見つからない現状に頭を痛めている。
市の固定資産税は過去5年間、129〜135億円台で推移。本年度当初予算では133億7200万円の固定資産税収入を計上している。前回(2009年度)の評価替えでは、前々回比で約4億円の減収だった。市税務室は「固定資産税は市税に比べて景気に左右されにくく、自治体にとっては当てにしやすい財源だが、今回は落ち幅が大きい」と話す。
要因に挙げられるのは地価の下落。道がまとめた昨年7月1日現在での基準地価によると、函館市内は商業地で6・4%、住宅地で4・2%下落。10年度はJRA函館競馬場のリニューアルオープンなど上昇要素もあったが、本年度は東日本大震災の影響とともに、ホテルなど大規模建造物の建設が落ち着いている。
増築を含む新規住宅着工戸数も09年度1228棟、10年度1218棟、11年度1066棟(23日現在)で、減少傾向に歯止めがかかっていない。
市は一方で、従前から地価の安かった亀田地区で税負担の調整措置を講じてきた。同地区では一般住宅の場合、課税標準額から毎年5%増しで課税し、その税額の80%に達した場合に前年度と同額に据え置く規定を設けてきたが、「旧市域とほぼ同じ水準になり、負担調整の部分がほとんどなくなった」(同室)と、増収要素がより乏しくなったことも影響している。
財源不足に悩む市は今年1月から職員給与の平均5・5%独自削減に踏み切っており、新年度は9億1200万円の効果額を見込んでいるが、長引く景気低迷の影響で、庁内には「行財政改革を重ねても追いつかない」との声も出ている。増加に転じる見通しが立たない中、同室は「15年度の北海道新幹線新函館(仮称)開業が、どう影響を及ぼすか注視したい」と話している。
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