「大門に観光の総合窓口」 官民の機能集約図る

update 2012/1/23 12:05


 首都圏など外部の有識者を招いて函館の経済振興策について検討する「函館市経済再生会議」の第3回会合が22日、函館国際ホテル(大手町)で開かれた。工藤寿樹市長は「大門地区に総合的な観光案内センターを設けたい」と述べ、官民の観光機能を集約し、中心市街地の活性化につなげる考えを示した。

 同会議は経済や観光、デザイン分野など外部の専門家と意見交換し、市の経済政策やまちづくりに反映させる狙いで昨年8月に始動。今回が本年度最終回で、工藤市長や松本栄一函館商工会議所会頭のほか、委員5人が出席した。

 清水慎一・立教大観光学部特任教授は「観光を産業として確立すべき」とし、地域でお金を循環させる仕組みづくりを強調。パリ観光局の案内所を引き合いに「観光案内所がプロモーション拠点では客は満足しない。ホテルやツアーの予約などあらゆる要望に応えられるワンストップサービス窓口をつくるべき」と提起した。

 これに対し、工藤市長は市の観光コンベンション部や函館国際観光コンベンション協会、函館ホテル旅館協同組合などの立地、役割が分散している実態を踏まえ、将来的に総合的な観光窓口の開設を進めていることを明らかにし、「大門に足を運んでもらう仕掛けづくりの一つとして中心市街地活性化計画の中で検討したい」と前向きだった。

 このほか、委員からは地元信用金庫の預貸率の落ち込みや製造業の生産拠点が海外にシフトする中での企業誘致の厳しさを懸念する意見のほか、市電やバスの停留所の「寒々しさ」を指摘する声も。北海道新幹線の開業を見据え、人材育成やネットワークづくりの必要性を訴えた。

提供 - 函館新聞社


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