道南マイカ漁過去5年で最少
update 2012/1/21 11:29
函館近海での今季のスルメイカ(マイカ)漁がほぼ終了した。函館市水産物地方卸売市場(豊川町)が昨年6〜12月に取り扱った生鮮スルメイカは4695トンとなり、過去5年(2006〜10年)で最も少なかった。金額も、過去5年で2番目に低い13億4243万6000円と伸び悩んだ。津軽海峡に来遊するスルメイカが年々減っているとの指摘もあり、道南のイカ釣り漁業は厳しい現実に直面している。
道南のスルメイカ漁は6月に解禁され、漁期は1月末まで。今年1月の取扱量は28トン(19日現在)と少なく、月合計でも100トンを下回る見通し。函館市漁協(橘忠克組合長)は「2月からの刺し網漁の準備をする船も出てきた」とし、スルメイカ漁の終わりを告げる。
同市農林水産部によると、同市場での取扱量は6月が125トンと低迷、7月が728トンと回復したが、8月が597トン、9月が528トンと振るわなかった。ピークの10月が1072トン、11月が1040dと2カ月続けて1000dを超えたものの、12月が606トンと再び伸び悩んだ。
同漁協は「海水温が高めで、イカの活動に適した水温が津軽海峡には形成されなかった」とみる。例年だと低気圧や台風の通過により海水がかくはんされ、水温が下がるケースが多いが、今季はそれがなかったという。また、今季は11、12月にしけの日が多く、漁に出られなかったことも影響した。
一方、昨年は道東、オホーツク海でスルメイカが大豊漁。本来なら太平洋を北上した群れが、秋以降に道東方面から津軽海峡へ南下してくるが、「今季は戻りイカ≠フ津軽海峡への来遊が少なかった」と同漁協。イカの群れが道東、オホーツク海に達し、漁場が形成されたとみられる。
同部によると、昨年6〜12月の1キロ当たりの平均価格は286円で、過去5年で3番目に高かった。同漁協は「漁業者にとっては厳しいシーズンながらも、単価高にカバーされた」としている。
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