“おっぱい”にお参り、女性だけの「十七夜講」

update 2012/1/18 11:13


 【知内】町元町の雷公神社で17日、女性だけの祭り「十七夜講」が開かれた。乳房をかたどったもち「しとぎ」を神前に供えることから、「おっぱい祭り」とも呼ばれており、集まった女性約30人は今年1年の健康や家内安全、安産などを祈った。

 同神社の初代神主の妻をまつった姥杉のこぶに、女性が母乳に恵まれるように願を掛けたというのが祭りの由来。江戸時代後期から続いており、昭和初期には東北からも女性が参拝に訪れたという。

 この日は女性の氏子7人が朝早くから米粉を使って、高さ約10センチの乳房の形をした「しとぎ」を二つ作り、神前に供えた。午後2時に祭りが始まり、大野格宮司が女性一人一人の名前を読み上げ、健康や安産を祈願し、女性らは玉ぐしをささげた。最後に神前に供えられたしとぎをくずし、参拝した女性たちに配っていった。

 厄よけのために訪れた町内の主婦、玉森真波さん(31)は「今年1年何事もなく、家族全員が健康で過ごせるようにお祈りした」と笑顔を見せていた。

 昭和30年代までこの日だけは家事や子供の世話を離れ、夜通しで歌や踊り、おしゃべりを楽しんだ。夜食にしとぎを食べて過ごしたというが、現在は日中に行っている。大野宮司は「時代が変わり夜通しで祭りをするのは難しくなったが、形を変えても、古い伝統を守っていくことが大切」と話していた。

提供 - 函館新聞社


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