函館港新年度 客船13隻が寄港予定
update 2012/1/15 11:29
函館市がまとめた2012年度の旅客船入港予定によると、函館に新年度入港するクルーズ船は13隻となる見込みだ。本年度は東日本大震災の影響で客船の寄港取りやめが相次いだが、新年度は例年並みまでに回復。近年著しい船の大型化に伴い、船の規模を示す総トン数ベースでは過去2番目となり、国内外の多くの乗客がもたらす経済効果が期待される。
市港湾空港部によると、本年度は当初、12隻の寄港が予定されていたが、震災の影響で外国船を中心に6隻の寄港がキャンセルされ、最終的には新たに今年2月に寄港することが決まった「にっぽん丸」を含め7隻となる。1989年度の統計開始以来、99年度の6隻に次ぐ少なさだ。
「思ったより外国船の回復が早かった。でも楽観はできない」。統計を取りまとめた市港湾空港部の担当者はこう説明する。新年度は13隻のうち5隻を外国船が占めるが、今後、集客に苦戦すれば寄港を取りやめる可能性もある。「今後、増えることも、減ることもある」と情勢は流動的だ。
一方、近年は船の大型化が進み、隻数は例年並みながらも、総トン数では49万6000トンと国内最大の客船「飛鳥U」が就航した2006年度の61万1000dに次ぐ規模となる。新年度は函館に入港した客船では過去最大の米国の「レジェンド・オブ・ザ・シーズ」(6万9130トン)が2年ぶりに入港する予定だ。
このほか、新年度の特徴として、国内のクルーズ客船4隻がすべて函館に寄港するほか、9月に入港する「飛鳥U」は初めて函館が始発港となる。近年は中国や香港などの新興富裕層をターゲットにした外国船も多く、「レジェンド―」は1泊当たり約1万円からの料金設定で、「欧米客に比べて中国客が多い」(同部)という。
関係者が期待するのは、客船の乗船客が寄港地にもたらす経済効果だ。市によると、1隻当たり国内船で2000万円、外国船で3000万円とされる。市は昨年11月に首都圏でトップセールスを行ったほか、室蘭、苫小牧、釧路などと太平洋側の道内4港が連携し、船会社に寄港地の食や癒やしの観光メニューを売り込んだ。
同部は「客船の乗客にはリピーターも多く、定番以外の新たな魅力を常に発信していかなければ他の寄港地に埋没してしまう」と危機感を強める。市などは今月25日に地元の観光関係者やボランティア団体、物販関係者を招いた「クルーズセミナー」も初開催し、さらなる受け入れ体制の充実を目指す。
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