渡島保健所に放射能簡易検査機設置へ
update 2012/1/11 10:03
道は、食の安全・安心を確保するため、渡島(函館市美原4)を含む道内6保健所に簡易放射性物質検査機器を年度末までに設置する。コメや野菜、肉、魚など食品全般を対象に、放射性物質の有無を調べるスクリーニング検査を行う。札幌に検体を送らなくても、地元で一次検査できる態勢が整う。新年度から運用する方針。
福島第一原発事故の影響で、道南でも昨年、放射性セシウムを含む稲わらを給与した牛肉が相次いで見つかった。汚染の疑いがある牛肉は、より精密な検査ができる「ゲルマニウム半導体検出器」がある道立衛生研究所(道衛研、札幌)へ検体を送り、調べていた。牛肉だと1日で検査結果が分かるものの、検査の事務量が膨大など課題もある。国は昨年7月29日付で、牛肉中のセシウムを検出するためのスクリーニング方法として、簡易検査機の使用を認める通知を都道府県に出し、検査の迅速化と効率化を促した。
これを受け道は、「ガンマ線スペクトロメーター」(1台約300万円)を、3次医療圏ごとに1台配備することに。渡島のほか、帯広、釧路、岩見沢、上川(旭川)、北見の各保健所に順次設置する。
同検査機は、1検体あたり約20分でセシウムの有無を測定。検査で一定程度のセシウムが確認された場合は、道衛研で詳細な数値を確定する。渡島保健所は「規制値を超えた食品の流通を未然に食い止め、道民の健康被害発生や拡大を防ぐ」(生活衛生課)と強調する。
渡島では、検査機を「試験検査室」に配備し、職員3人が検査を担う予定。今後、職員が研修を受けるほか、検査ルールなどを決める。
道内で、食品中の放射性物質を検査できる機関は道衛研のほか、民間の道薬剤師会公衆衛生検査センター(一般からの受け付け可)がある。
また、道は渡島を含む全総合振興局に計9台、24時間続けて空中の放射線量を自動測定するモニタリングポストも配備する。各総合振興局の敷地内に年度中に整備し、測定を始める。現在は振興局職員が週2回(火曜、金曜)の午前9時に、線量計で空中の放射線量を測定している。ポスト設置後、職員による測定をやめるかは未定。
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