鈴なりコーヒーの木 函館市熱帯植物園
update 2012/1/10 09:59
函館市熱帯植物園(湯川町3)が2008年春から栽培している「コーヒーの木」16本が昨年、初めて鈴なりの実をつけ、同園スタッフを驚かせている。早ければ1〜4月にも赤い実に熟すといい、スタッフは「夢のような話。いつかイベントでコーヒーを提供したい」と収穫できる日を心待ちにしている。
同園を運営するNPO法人函館エコロジークラブの坂井正治さん(73)によると、南米などが原産のコーヒーの木は亜熱帯性植物で、日本では沖縄が北限。暑過ぎたり寒過ぎたり、日が当たり過ぎてもよく育たないという。
同クラブが市から業務を受託した03年当時、園内には3本のコーヒーの木があった。しかし手入れをしても何年間も開花することはなく、07年冬、温室の補強工事に伴う寒風の影響で枯死した。そこで坂井さんらが「何もないのは寂しい。一からでもいいからしっかり育てよう」と市民に寄贈を呼び掛けたところ、16本が寄せられた。
以来、土を掘り返して腐葉土を入れたり、水やりも季節に合わせて回数を調整したりと工夫を重ねた。変化が起きたのは、植え替えから2年後の10年春。数本の木が初めて白い花を咲かせ、やがて緑色の実をつけた。
しかし、実が赤く色づいた冬にはなくなっていた。「興味を持った入園者が失敬していったのかも」と坂井さん。だが昨春、今度は全ての木から開花し、6月には鈴なりの実がなった。
風味の良い一般的なコーヒー豆は、赤い実から取り出した種(生豆)を専用の機械で焼くことでできる。同園で育つ実からは、少なくとも50〜100人が飲料できる量が確保できる見られ、収穫後は焼いた豆やいった粉を提供する予定だ。
坂井さんは「コーヒーの木は西日にさらすと成長が遅れると言われていて、原産地では畑の西側に日よけの木々を育てる工夫を凝らしている。園ではたまたま西日の方向に巨大なバナナの木があったおかげですくすく育ったのでは」と振り返り、「せっかく実が育ったのだから、眺めて終わりではなく、その味も確かめなきゃ。秋の行事で提供できるようになれば」と夢を膨らませている。
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