若者向け「龍俳句会」設立
update 2012/1/4 10:20
函館の俳句結社「弥生俳句会」(会員約25人)を主宰する大江流さん(80)は、若い世代から俳句に興味を持ってもらおうと、「龍俳句会」を立ち上げる。「四季の風情や高尚なことにとらわれず、社会風刺などを気軽に詠み、気晴らしをしてほしい」と参加を呼びかけている。
大江さんは1970年後半、50代の時から俳句を始め、「当時でも自分は若い方だった」と話す。現代俳句界における重鎮が高齢化し、自身の結社も平均年齢が70代となり「このままでは俳句界が衰退する。若い人に興味を持ってもらわなければ」と考えた。辰(たつ)年の今年、「龍は運気を上昇させる。この機会に」と、若い人向けの俳句会設立を考えた。
大江さんは「俳句は戦場に向かう武士が、明日へ大きな希望も持つことが難しくなり、そのうっぷんを晴らそうと心境をしたためた。江戸時代に栄えた『俳諧(はいかい)』も同様で、庶民が大胆で滑稽な言葉を使い、世論を風刺し、演劇や寄席で客を笑わせた」と話す。「皮肉にも経済、政治が混迷している現代はわずかな希望しか持てない。そんな中、思い切った言葉で物事を表現することで、自身のプラスになってくれれば」と願う。
そんな大江さんが考えたのが面白い表現を目指す「GAG(ギャグ)俳句」。「感性を生かし、身の回りのことを作品にしてもらうだけで十分」と話す。新春に合わせ「七福神句合」を作った。「爽やかね風が訪ねて来て語る」(大黒)「橋下のルンペン期待する初日」(蛭子三郎)「原発や未決収監されず冬」(毘沙門)「日本丸積荷はみんな年送り」(弁財)「核家族満つることなし冬の海」(福禄寿)「門松や天然の皮表札に」(寿老人)「年明くるムシの歴史を掘り返す」(布袋)
大江さんは「興味があるだけでも連絡をいただければ。そのうち句会も開きたい。函館から俳句会が変わってくれれば」と話している。問い合わせは大江さんTEL0138・46・0586。
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