震災影響 観光客数減 渡島11年度上期まとめ
update 2011/12/27 10:14
2011年度上期(4〜9月)の道南の観光客入り込み数と訪日外国人宿泊者数(渡島管内のみ)が26日、まとまった。観光客数は渡島、桧山管内ともに前年に比べ減少、東日本大震災が観光業にも大きな影響を与えた。
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渡島総合振興局が発表した管内観光客の入り込み数と訪日外国人宿泊客数(ともに速報値)によると、観光客の延べ人数は前年比6・5%減の約600万8000人となり、現行方法で調査を始めた1997年以降、最も少なかった。訪日外国人宿泊者数は3万7514人で、同58・4%減、実数にして5万2573人の減少となり、97年の調査以降、最大の減少率となった。いずれも東日本大震災の影響を色濃く反映した格好だ。
同振興局によると、観光客減少の主な要因として、震災の影響から道外、外国人客が大きく減ったことが挙げられる。道外客は同15・1%減の264万6000人。外国人客は震災に伴う福島第一原発事故の影響により、訪日旅行が大幅に手控えられ、4月には函館空港国際便のすべてが運休となった。
震災直後は4月が同23%減、5月が同15%減、6月が同16・7%減となったが、7〜9月は東北からの修学旅行生など道外客を中心に客足が回復、前年を上回っている。また、道内客は、修学旅行が東北から道南へ切り替えられるケースが相次いだことから、同1・6%増の336万2000人。
市町別では、函館市が同14・4%減の266万7000人。震災の影響で、観光自粛や原発事故の風評被害により4〜7月は前年より約45万6000人(23・7%)減ったが、8月以降は海外チャーター便の回復や東北への誘致活動による修学旅行生の増加などで回復傾向に。松前町、七飯町、八雲町、長万部町も前年を下回った。
一方、森町は同32・3%増の63万9000人と好調で、震災の影響で道内客が近距離を旅行する傾向が見られたことや、駒ケ岳の入山規制が緩和されたことで道外客が増加したこともプラスとなった。
海峡横綱ビーチがオープンした福島町は同18・5%増の5万6000人。このほか、知内町、木古内町、鹿部町、北斗市も前年を上回った。
訪日外国人宿泊客数の減少は、原発事故の影響が大きい。台湾が2万5196人と最も多く、次いで韓国4042人、中国1977人、シンガポール1689人とアジア全体が93・3%を占める。台湾はチャーター便が5月末に再開したが、同44・1%減。韓国は5月に6便、9月に4便就航したのを除き、すべて運休したのが響いた。
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桧山振興局が発表した、本年度上期(4〜9月)の観光客入り込み状況によると、入り込み客の総数は、前年同期比1・3%(1万1000人)減の81万3100人で、06年から続く減少に歯止めが掛からなかった。
内訳は、道内客68万100人(同0・3%増)。道外客13万3000人(同9・1%減)。道外客の減少率は、前年同期の21・7%に続き大幅に減少。日帰り客は72万1700人(同1%減)、宿泊客は9万1400人(同4・2%減)。同振興局は「東日本大震災の影響で他管内は大幅に減少したが、桧山管内は従来から道内客が中心で、外国人観光客を含めた、道外客が少なく、比較的小幅な減少にとどまった」としている。
ただ、上期の客数は、05年度に前年同期比で2・2%の増加を記録して以降、06年度10・3%減、07年度4・3%減、08年度11・2%減、09年度1・6%減、10年度5・2%と減少。06年度上期の客数は104万100人で、本年度上期と比べると22万7000人(28・8%)の減少。
町別では、江差町33万9400人(同0・2%増)、上ノ国町6万7200人(同12・4%増)、厚沢部町8万3300人(同3・9%減)、乙部町8万8900人(同7・5%減)、奥尻町2万6300人(同7・4%減)、今金町2万8500人(同7・1%増)、せたな町17万9500人(同4・4%減)。
上ノ国町は、道の駅の物産センター利用客が増加。今金町は、イベントの入り込み増加が好材料になった。江差町は、震災の影響で道内からの修学旅行が増加した。奥尻町は、震災に伴うツアー客の減少、北海道エアシステム(HAC)の機体トラブルなどが大きく響いた。
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