工藤市長 説明と一問一答…函館市 在来線分離同意
update 2011/12/22 10:48
函館―新函館間経営分離の同意に関する工藤市長の説明と、報道陣との主なやりとりは次の通り。
(冒頭)経営分離に当たって道とJR北海道から示された支援協力の内容は、道が自ら第3セクター設立、運営の主体的な役割を担い、負担についても他県の先行事例を十分考慮し、最大限の努力をするとしている。道知事からも直接、第3セクターの設立やその負担について主体的な役割を担うという決意が示された。
JR北海道は4年後の新函館開業時にこの区間の電化や新幹線ダイヤに合わせた快足列車を導入、加えて札幌開業時にはその列車の運行を担い、さらに全国のJR各社との円滑な乗り継ぎが可能となる発券システム導入など、経営分離以前と同等の利便性・サービスを維持するとしている。これらは並行在来線として位置づけられた全国の第3セクター鉄道の事例にない具体的な内容を伴った提案で、これ以上の支援協力が難しい中、一定の評価に値すると受け止めた。
北海道新幹線については地域としてさまざまな経緯があったが、1973年の整備新幹線計画決定以来、長年の道民の悲願としてオール北海道で取り組んできた。こうした中、新函館駅―現函館駅間についてJR北海道からの経営分離について、同意するとの判断に至った。
この間、JRによる経営継続を求める11万人の市民の署名もあったところであり、長らく国鉄・青函連絡船があった街としては、その歴史からJRへの思いが市民にはあると思っている。そうした中、オール北海道の観点で多くの方から札幌延伸を強く求める声があり、そのはざまの中であらゆる事柄について総合的に熟慮に熟慮を重ねた中で、市長として最終的に判断した。
今後は20年、25年後と言われる札幌開業までに道が設置する協議会の場などを通じ、関係者間でさらに具体的な内容について、精力的な検討協議を進めたい。観光交流都市函館の重要なアクセス路線である新函館駅・現函館駅間の将来にわたる安定的で充実した鉄道輸送を、地域とともに確立していく決意である。 ――同意の意向はすでに道へ伝えていたか。
会見の直前に電話で高井(修)副知事に伝えた。
――これから各団体から様々な意見が出てくると思うが、どのような説明をしていくか。
反対していた団体の気持ちは変わらないと思うが、私が判断したことに対してご理解をいただけるよう努力していきたい。
――100団体に行った経過説明で、各団体は理解できたと思うか。
とても難しい問題。中には詳しい団体もあったが、団体によってさまざまだと思う。
――道からの提案内容で、これ以上具体的に提案を求めることは。
知事がわざわざ函館に来たことで、今までのように内々的なものだったり、事務レベルではないと重く受け止めた。これがスタートラインなので、示されたものを函館のために充実させ、なるべく早い段階で具体的なものになるよう努力していきたい。
――経営分離されることで大門地区の活性化に影響が出ると言われているが。
他地域は新幹線ができることによって在来線の乗客が大幅に減ることが想定されるが、函館はそういう路線ではない。新幹線が通ることで今まで以上に利用客が増える可能性があり、運営も実質的にJRが行う。そのようなことから、大門再生を辞める考えも、降ろす考えもない。
――路線が赤字になって、地元の財政負担が増える懸念もあるが。
電化をすることによって負担は少なくなると予測している。JRからも黒字でやると伝わっていて、道や市に毎年の赤字を補ってもらうことは考えないという。札幌からの客はある程度予想できるが、道外からの客がどの程度増えるかは、4年後の函館開業を見ないと今の時点では想定できない。
――決断に当たって重点に置いたことは。
JRとの信頼関係を大切にしたいということ。私の誠意に対しJRは精いっぱいの案を示してきたので、この案で同意すべきではないかという考えを持っていた。
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