函館―新函館経営分離問題、工藤市長きょう判断

update 2011/12/21 10:33


 北海道新幹線の札幌延伸時に、JR北海道が函館駅―新函館駅(仮称)間を並行在来線として経営分離する問題で、函館市の工藤寿樹市長は20日、反対する立場の各団体との会談の中で、経営分離に同意することへの理解を求めた。同市長は21日午前に記者会見して態度を正式発表する予定で、取材に対し「回答の保留は考えていない」とする一方、反対の声が根強い中で苦渋の判断を下すことになりそうだ。

 工藤市長は当初に意見を聴取した市町会連合会、函館都心商店街振興組合、函館朝市協同組合連合会など6団体と会談し、18日の高橋はるみ知事との会談内容などを説明。

 このうち市町連との会談では、奥野秀雄会長と常任理事ら17人が出席。同市長は第3セクター移行時にJRが運行受託することで利便性が落ちないとし、JRと水面下での交渉を経て電化など諸条件を引き出したと説明。「同意した時に、心情を十分理解していただきたい」と求めた。

 奥野会長は「3セクで赤字が出た時に、後世の人々に負担させることは是とできない」と、これまで同様に反対を主張しながらも「最終的には市長の政治判断。市長からは同意に向けていきたいとの思いが伝わった」とした。

 函館朝市協同組合連合会の井上敏広理事長も「道の謝罪は重く受け止めるが、あくまで反対の立場は変わらない」と主張。ただ「工藤市長は『返答は2つから選ぶ』としたが、もう決まっているのでは」と話す。

 一方、函館都心商店街振興組合の渡辺良三理事長は「JRの提案は精いっぱい努力した結果」として路線の電化と運営受託の方針を評価、市長に対し「市長の提案を尊重する」と返答し、態度を軟化させている。

 反対姿勢を明確にする函館商工会議所は市町連と会談。21日午前に市側が説明する予定で、松本栄一会頭は「説明なしに発表することにはならない」とくぎを刺す。

 また、市内の水産関連8団体で構成する函館水産連合協議会(石尾清広会長)は、JRの経営継続を求める要望書を市長に直接提出。JR北海道が継続運営することで利便性を確保し、地元自治体の財政負担を避けたいとするなどの内容で、石尾会長は「今の決断で函館の将来が決まってしまう。決して譲らない」としている。

 並行在来線の経営分離をめぐっては、今月16日までに函館―小樽間の14の沿線自治体が同意。函館市だけが回答を保留している。同市長は「(回答を)もうちょっと待ったらあまりにも不誠実」とした上で、21日は市議会の各会派代表者会議で方針を伝える考えを示している。

提供 - 函館新聞社


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