知事一問一答「市民に不信感 心からおわび」「札幌延伸ラストチャンス」
update 2011/12/19 10:23
工藤市長と会談後の高橋知事と報道陣との一問一答は次の通り。
――市長にどのような形で理解を求めたのか。
新幹線の札幌延伸の議論がこの秋ぐらいから急速に中央の方で動きが活発になってきた。限られた時間の中で、市長に市内での意見の集約について尽力いただき、その努力に敬意を表すると同時に感謝を申し上げた。前々任の知事の時代に、当時の市長と交わした新幹線にかかる文書に関連し、市民の間に不信感がある。そのことについて現職知事として心から改めておわびを申し上げた。
今月13日付で、道から市に示した文書に沿う形で、新函館―函館間の3セクについて、道が設立に向けての手続きを主体的に行うと同時に、負担割合についても主体的な役割を果たす、私も責任を持ってやるということを改めて話した。そして今が札幌延伸に向けてのラストチャンスであり、道南地域の人口の比較的少ない各町も新幹線延伸を強く切望している中で、函館・道南全体の発展に向けての判断をぜひお願いしたいと申し上げた。 ――直接会うことで知事の熱意は伝わったか。
私の熱意、決意は十分に伝えられたと思う。
――3セクの設立・運営に関し道が具体的な財政負担割合を示さないことに不安があるが。
13日付で示した第3セクターの設立に向けての協議会の設置、負担割合について主体的な役割を担うということを、知事として責任を持ってやると市長に改めて申し上げた。
――きょう市長以外に会う人はいるか。
市長が市内の調整に尽力している。私の今回の訪問の中では市長に会うことのみだ。
――市長に対し同意を得るための新たな提案はなかったのか。
13日付で示した3セク設立に向けて道が主体的な役割を果たしながら負担割合を含め、しっかりやっていくことを知事の決意として申し上げた。加えて、JRと連携しながら示していることを、改めて市長に申し上げた。
――負担割合について具体的な数字の提示はあったのか。
道が主体的な役割を果たすということだ。
――市民の不信感の払拭(ふっしょく)にどう努めるのか。
私が要請に参上し、過去のことについてしっかりと申し訳ないということを申し上げ、これからの函館市の観光振興も含め、いろいろな分野で市と道が連携しながら、道南の地域づくりや道全体の発展に期していくパートナーの立場であるから、これからの連携の中で、さまざまな協力をしていきたい。
――道としてはもっと早く理解を得る努力ができたのでは。
昨年、当時の西尾正範市長や高野洋蔵会頭、町会会長がそろって、多くの市民あるいは観光客も含め、署名を持ってJR存続という要請に私のところに来た。JR本社にも行ったと報告を受けた。そののち、市民の思いを踏まえ、改めてJRに対し「再考を」と私自身の口からも求めた経緯がある。その後、JRは石勝線の大事故や、当時の社長の逝去などがあり、道からJRに投げ掛けていたことへの回答が遅れていた。向こうも大変だった。それが戻ってきたのが今年秋だった。もう一つは、政府サイドで鉄道・運輸機構の剰余金活用に向けての法改正の議論の中で、衆参両院で北海道新幹線の延伸も含め整備新幹線3線について議論を加速化しようということが決議された。与野党でこの秋以降、動きが活発になってきたという中で、限られた時間となった。道も努力不足の部分もある。市長に苦労をかけたことには感謝申し上げた。
――時間がない中で、市民の間でも困惑する声があるが。
限られた時間の中で、市長が中心となり市民の意見の吸い上げをやっていただいているということに心から敬意を表する。
――改めてJRに対しアクセス区間の直営を求める考えはあるか。
JRから「改めて検討したけれど、難しい」との回答があり、道としてもそう判断せざるを得ない。
――経営分離の同意について、いつまでに返事がほしいのか。
期限をつけることは、市長との会談中でもしていない。ただ、今週末とも言われる来年度予算の政府案の閣議決定に向け、民主党の中でも整備新幹線の議論の山場が近づいてきているという認識を持っている。そういうことも勘案しながら、ぜひ調整をやっていただければと申し上げた。
――九州新幹線で、経営分離の同意が整わないまま予算がついたケースがあった。北海道についてもそうなる期待はないのか。
全国いろいろな形があり得ると思う。私としては市長に対し決意と思いを直接伝えた。それを踏まえ、市長として動いていただけると期待している。
――同意を得られるという手応えはあったか。
市長がこれから動かれる、あるいは発言する、そのことに道としても期待をする。市長が動かれ、そして市民に理解をいただける環境づくりに道としては最大限努力したい。
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