知事 市長ときょう会談 「経営分離」理解求める
update 2011/12/18 10:44
北海道新幹線札幌延伸時に、JR北海道が函館駅―新函館駅(仮称)間を経営分離する問題は最終局面に入った。道と市は17日、高橋はるみ知事が18日に来函し、函館市の工藤寿樹市長と会談することを発表。同問題をめぐり、高橋知事と工藤市長が正式に会談するのは初めてで、知事は経営分離への態度を保留している市に理解を求めるとみられる。一方で、経済界を中心に市民の反対は根強く、工藤市長は難しい調整と判断を迫られている。
市は同日午後、工藤市長と中林重雄、片岡格両副市長、渡辺宏身企画部長らが市役所で今後の対応を協議。同市長は取材に対し、知事サイドから会談の申し出があったことを認めるとともに「会って話を聞いてみないと、何とも言いようがない」と繰り返し、苦悩をにじませた。
経営分離問題をめぐっては今月5日に高井修副知事が、道が主体となって第3セクター鉄道を設立するとして同意を要望。同13日には道が3セク設立に際して応分の負担をすることや、JRは3セク設立後に運行を受託、新函館開業時までに同区間を電化する考えを文書で示している。
市はこれをもとに、市議会や各種民間団体から意見聴取を進めたが、道が費用負担の割合を示していないことや、1994年に短絡線(スイッチバック)方式で現駅に新幹線を乗り入れるとして、当時の横路孝弘知事と木戸浦隆一市長が交わした覚書と確認書が、後にほごにされたことへの不信感が根強く、函館商工会議所などが反対姿勢を強めている。同市長は16日「整理がつかず、結論を出せる段階に至っていない」として回答を先送りした。
並行在来線の経営分離をめぐっては、16日までに北斗市や後志管内余市町など14の沿線自治体が道に対して同意を表明。政府は年度内に整備新幹線未着工3区間の新規着工を認める方針を固めており、函館市の動向が焦点となっている。同市長は知事との会談を経て態度を明らかにする。
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