経営分離問題、市議会は態度示さず
update 2011/12/16 10:34
北海道新幹線札幌延伸時の函館駅―新函館駅(仮称)間経営分離問題で、函館市の工藤寿樹市長から回答を求められた市内5団体の反応が15日までに出そろった。道主体で第3セクターを設立、JR北海道が運行委託を受けるなどとする道とJRの姿勢に対し、市議会は議会全体としての態度を示さず、正副議長が各会派の意見を市長に伝えるにとどまった。また他の3団体も「反対」と回答、函館商工会議所と歩調を合わせる形となった。
工藤市長は5団体とは別に11団体にも、16日午前中までの回答を求めており、すべての回答を待って同日中に最終判断を下す考え。
市議会は15日午後3時から非公開の各派代表者会議を開いたが、意見はまとまらず、わずか20分で終了。賛成が3会派、反対が2会派となったが、賛成会派の中には反対姿勢の議員もいた。
能登谷公議長は市長に対し「市民の負託を受けた議員や会派の意見を尊重すべきと判断し、各会派の意見をそのまま回答する」と回答、対応を事実上、市長に一任した。同議長は会見で「○か×かで判断できない。(市長に)丸投げしたとは思っていない」と、苦しい胸中を語った。
昨年5月に行ったJRの経営継続を求める決議や、経済界や町会が11万人の署名を行ったことについて同議長は「JR北海道が条件を鮮明にしており、署名を踏まえて返した答えと思う」、板倉一幸副議長は「決議時の判断や意見からは、状況が変化している」と話すにとどまった。
工藤市長は取材に対し「議会の大方の考えを受けとめた」とし、「数の多さや少なさで、主体性もなく判断することにはならない。各団体の回答が出そろってから考えたい」と話している。
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一方、市町会連合会は緊急の常任理事・理事合同会議を開いて反対を決定。奥野秀雄会長は会見で、昨年行った署名活動の経緯を踏まえて議論したことを明らかにし、「道やJRの案は一部で評価する部分はあるものの、署名の思いを方向転換させるだけのものではなかった」と語った。
函館朝市協同組合連合会は同日、電話で市に返答し、「反対」の結論を伝えた。井上敏広理事長は「道とJRの文書には具体的な数字が示されておらず、不安を感じている。スイッチバックの約束もほごにされた経緯もあり、今の内容で了承はできない」。
函館都心商店街振興組合も前日に続き、副理事長らが電話で意見交換し「同意できない」と市に回答。出村喜文副理事長は「JRの経営を求める11万人の署名は重い。道とJRの文書は具体性に乏しく納得できない」と従来の姿勢を崩さない。
また、業界団体など11者は、市から14日に意思確認を受け、16日までという短期間での返答を迫られた。中には緊急的に会合を持った団体もあったが、「急すぎる」と戸惑う声が複数上がっている。
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