現駅―新駅経営分離問題 3セク後にJRが委託運行 道とJRが市に回答
update 2011/12/14 11:22
北海道新幹線の札幌延伸時にJR北海道が函館駅―新函館駅(仮称)間17・9キロを経営分離する方針を示している問題で、道とJR北海道は13日、函館市に対し、道が主体となって第3セクター会社を設立し、JRが3セク移行後に運行委託を受ける考えを文書で回答した。JRは併せて、2015年度の新函館開業までに、同区間の電化を提案した。工藤寿樹市長はこれをもとに、経済界や議会などからの回答を得て、16日までに道に態度を示す方針だ。
道が11月に市に示した文書では、JRの経営継続は難しいとした上で、道は「3セク移行時の最大限の努力」、JRは「新函館開業時に利便性の高いアクセス輸送」「並行在来線に可能な限り協力」との姿勢を示したが、市側は内容があいまいだとして、両者に具体的な内容を求めていた。
回答では、3セク会社設立に向けて道が主体となり、札幌延伸の認可、着工後早期に沿線自治体との協議の場を設けるとしたほか、負担割合については必要な出資、初期投資等について道が応分を負担し、「他県の状況など先行例を十分考慮する」とした。
道はまた、3セクに対するJRの支援に言及し、@技術者の出向など技術、人的支援を行うA3セク運行にかかる必要最小限の鉄道資産の譲渡B譲渡は簿価を基本とし、土地区画整理事業に伴う補償金は含まれないC分離前と同等のサービスを維持するため、JR各社との乗り継ぎが可能となる発券システムの導入に協力する―としている。
一方、JR北海道は新函館開業までに約40億円を投資して同区間を電化するとともに、快速列車用の新型車両を開発。電化により、現在27分程度かかる同区間は17分に短縮される。
札幌延伸後の運行に関しては、「札幌開業後も利便性が損なわれないよう、3セク会社からアクセス列車の運行委託を受ける用意がある」と回答している。
工藤市長は回答を受け、市議会や函館商工会議所など5団体に説明。取材に対し「内容を示しただけ。各団体が納得できるかはわからない」と話すにとどめた。中林重雄副市長は会見で「かなり前向きの回答をいただいた」と評価、その上で各団体に15日までの回答を求めたことを明らかにし「市長が最終的に判断する」と述べた。
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