TPPで漁業生産66億円減 函館市議会
update 2011/12/10 11:43
函館市議会第4回定例会は9日も一般質問を継続し、6氏が質問に立った。関税の原則撤廃を目指すTPP(環太平洋連携協定)の影響について、山田潤一農林水産部長は漁業生産額が約66億円減少すると試算していることを明らかにした。
佐々木信夫氏(市民クラブ)の質問に答えた。
山田部長は、TPP交渉への参加が市に及ぼす影響について「農林水産業や医療、食など多方面に及ぶ」と説明。道の試算に基づいて市への影響を試算したところ、農業産出額は全体の約59%に相当する約15億6000万円、漁業生産額は全体の約31%となる約66億3000万円、それぞれ減少するとした。
さらに、佐々木氏は「各業界はTPPの影響をどのように受け止めているか」と質問。山田部長は「製造業は輸出入の活発化や原材料価格の低下などを理由に交渉参加を肯定する意見と、一次産業の動向によっては安定した原材料が確保できないといった否定的な意見も聞かれた」と説明した。
加えて、TPPの参加により国民皆保険制度の崩壊などにつながる懸念があることから、同部長は「函館市医師会はこれまで平等に提供してきた医療が崩壊する恐れがあるため、国民の合意が得られない中での参加表明はとても賛成できないと意見を述べている」と報告した。
また、工藤寿樹市長は政府のTPP参加表明について、「今後も動向を注視し、仮に市民生活などに大きな影響が及ぶ状況が生じた場合は、関係団体と協力しながら国に適切な措置を講じるよう強く要請していきたい」と述べた。
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