函高専埋文研が優秀賞 開泰元寶分析発表
update 2011/12/5 10:20
後志管内岩内町で11月中旬に開催された高文連の第46回全道高校郷土研究発表大会の郷土研究部門で、函館高専(岩熊敏夫校長)の埋蔵文化財研究会が優秀賞を受賞した。今年5月に涌元古銭(知内町)の中から確認され国内初出土と認定されたベトナム古銭「開泰元寶(かいたいげんぽう)」の分析、比較調査の結果を発表した。
同会は知内町郷土資料館から涌元古銭997枚を借り2008年から調査をしていて、この中から「開泰元寶」1枚を確認した。
今大会に向け、高専所有の分析装置で開泰元寶の成分組成を分析。さらに涌元古銭、函館の志海苔古銭の中に含まれ、開泰元寶よりも300年ほど前に鋳造されたといわれるベトナム古銭「天福鎮寶(てんぷくちんほう)」の成分組成も分析し、比較検討した。
8月から11月ごろまで分析を進め、小野美玲部長、北村茉友さん(以上3年)、杉本紬さん、渡辺健一朗君(以上1年)の4人の学生が本番で発表した。
発表では、開泰元寶の銅、鉛、錫(すず)の成分組成を割り出したほか、計22枚の天福鎮寶の分析の結果、開泰元寶にほとんど含まれていない不純物の鉄が0・8〜4%余り含まれていたことを指摘し、その間、鋳造技術が向上したと推察した。
今回で3年連続の入賞を果たしたが、昨年が最優秀賞だっただけに、小野部長は「悔しい思いもあるが、来年後輩に頑張ってもらい1位を取ってほしい」と話す。
来年は古銭と同様成分の模擬貨幣を鋳造し、腐食の進行具合を分析する実験を行う計画で、学生たちは「成果を出したい」と次に向けて意欲を口にする。
同大会は道内各地から9校が出場。同研究部門の最優秀賞は旭川竜谷高だった。
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