復元ストーブで155年前の温もり
update 2011/11/26 10:22
1856(安政3)年、国内で初めて西洋式ストーブが函館で生産され、11月25日に火が入れられたことにちなみ、函館の有志による「第24回ストーブの日」の催しが市内末広町13の箱館高田屋嘉兵衛資料館で開かれた。1988年に復元された国産第1号ストーブに点火し、先人の遺徳をしのんでいた。
日本初のストーブは、厳しい冬の北方警備を強化するため、箱館奉行・村垣範正が武田斐三郎に製作指導を命じ、英国船のストーブを手本に大町の鋳物師・目黒源吉が製造。155年前のこの日に試したきを行ったとされる。
復元ストーブは、ストーブの日実行委員会(石塚與喜雄委員長)が、外国の技術を取り入れ、道民の生活を守った先人の労苦を語り継ぎ、ストーブのように完全燃焼に挑戦する気持ちを大切にしようと製作を決め、当時の資料を基に約5年を掛けて1988年に完成。高さ90センチ、胴回り48センチ、重さ約90センチ。日ごろは同館で展示されているだけだが、同会が毎年、火入れを行っている。
外が吹雪に見舞われる中、石塚さんが「函館には梵鐘を作る技術があり、円筒型のストーブができた。今日はストーブの温かみを感じる日になった」とあいさつ。続いて約30人の参加者がストーブの前で、昔ながらに火打ち石で火花を出し、最後に着火具を使って点火。参加者は中の木材が燃えるぱちぱちという音に聞き入りながら、暖を取っていた。
石塚さんは「北方では火鉢だけで冬は越せず、ストーブの誕生は国を守る兵器の誕生のようなもの」と話していた。
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