教会に響け歓喜の歌 来月29日、市民が第九に挑戦
update 2011/11/21 10:35
合唱愛好家40人でつくる函館の市民団体が12月29日、ベートーベンの交響曲第9番の第4楽章に挑戦する演奏会を市内で開く。市内在住の若手作曲家、作道(つくりみち)幸枝さん(31)が編曲したピアノとオルガンの伴奏で披露する予定で、主催者は当日出演できる市民も募っている。
主催するのは、函館の音楽と歴史を考える会とカトリック湯川教会音楽委員会。両団体の中心メンバーである声楽家の徳永ふさ子さんが「いつかこの大曲を市民で演奏できれば」と長年考え続けてきた。今年夏から、徳永さんが主宰する「函館メサイア合唱団」が練習を重ねている。
「第九」は1〜4楽章から成るが、演奏に1時間以上かかり「技術的にも難しいため」(徳永さん)、本番では合唱付きの第4楽章のみ。オーケストラも練習に時間がかかるため、伴奏パートは合唱と合同練習がしやすく、管弦楽器の雰囲気を再現しやすいオルガンとピアノだけにし、徳永さんが作道さんに編曲を委嘱した。
愛知県立芸大作曲科出身の作道さんは、学生時代からオーケストラを中心に作曲していた。今回は「壮大で勇壮な原曲の雰囲気を最大限生かすように努めた」という。
作道さんはさらに、縄文時代に鳴り響いていたとされる音の研究を続ける徳永さんの依頼で、海や森といった当時の大自然をイメージして合唱や独唱曲など「縄文三曲」も手掛けた。いずれも日本の音楽のルーツとされる5音音階「ドレミソラ」を用い、郷愁を感じさせる曲調に。「第九」と合わせて演奏会本番で取り上げるほか、早ければ12月上旬にも楽譜の出版を予定している。
作道さんは「縄文三曲」について「自分なりに透明感のある響きを求めた。5音音階ならではのきれいな旋律も楽しんでもらえたら」と期待。徳永さんは「第九」について「人間の友好や絆、力強さを訴えかける曲。東日本大震災被災者へ祈る意味でも、力を込めて披露したい」と意気込んでいる。
演奏会はカトリック湯川教会(駒場町14)で午後2時から。「第九」出演希望者は12月16、27、28日の合同練習に参加可能で、それまでに自分のパートの音取りを終えること。また、12月8日午後6時からは渡島総合振興局(美原4)で「縄文三曲」などを披露する演奏会も。いずれも入場無料。問い合わせは事務局TEL080・4048・5182。
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