風力調査用の観測塔設置…きじひき高原

update 2011/11/17 09:52


 【北斗】北斗市村山のきじひき高原で、風力発電建設構想の実現に向けた風速調査用の観測塔の設置が進められている。展望台から約4キロ先の標高約670メートル地点に高さ50メートルのポールを設置し、数カ所に風力計や風向計を取り付け、発電に適した環境であるかを調査する。同構想を推進する「NPO法人みなみ北海道自然エネルギープロジェクト」のピーター・ハウレット代表理事(56)は「風力調査は、この場所に風車が適しているかを判断するためのスタート地点。このいい風をつかまえましょう」と話している。

 同構想は、地球温暖化防止の観点から、自然エネルギーへの転換を目指し、「道南からエネルギーシフト」を掲げる同NPO法人や、全国各地で市民出資の「市民風車」建設の実績を持つ民間企業「市民風力発電」(札幌、鈴木亨社長)が推進している。

 構想では、2000キロワット級の大型風車5〜10基で、1万〜3万キロワットの発電規模となる。25〜60億円の事業費は、市民などから出資金を募り、ファンド形式で運用する計画。風車の稼働に適した風力が見込めるほか、建設用資材を運搬するための道路環境、高圧線の存在などの諸条件が整っているという。一方で、北斗市は、建設の可否判断は「地元住民の合意が大前提」としている。

 観測塔は同社が市の許可を得て、14日に着工。16日正午の時点で高さ20メートルほどで、17日に完成を予定する。ポールの頂点と40メートル、30メートルの地点に風力計などを取り付け、得られたデータはインターネット経由で収集する。

 現地を視察した同社の事業開発部風況調査室の陸野秀明室長(50)は「最低でも1年は継続して調査するが、平均で6・5メートル以上の風速が欲しい。実現に向けては電力会社との契約問題や環境アセスメント(環境影響調査)、景観上の問題、地元との同意など課題はある」と話していた。

提供 - 函館新聞社


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