現代の名工に「菓子工房花園正家」の佐々木さん
update 2011/11/15 11:48
厚生労働省が卓越した技能者として認め選出する本年度の「現代の名工」に、菓子製造工で、「菓子工房花園正家」(函館市港町1)代表の佐々木征士さん(66)が道内からただ1人選ばれた。佐々木さんは「光栄なこと。技術指導していただいた諸先輩をはじめお世話になった多くの方々のおかげ」と受賞を喜んでいる。表彰式は15日東京で行われる。
菓子の素材で花鳥風月を芸術的に作る工芸菓子の技能に卓越し、さらに後進技能者の育成、指導にも貢献したことが認められた。
函館市内で開かれる菓子のイベントやコンクール、学校、団体の記念式典など数々の場で工芸菓子を出品。ツツジやキクなど大輪の花から、函館特産のイカ、白鷹など手掛けた作品は精巧で美しく、見る人の目を楽しませる。
材料の仕込みから制作まですべて手作業。時には徹夜作業に及ぶ。「頭でイメージしたものをそのまま作る。一つ一つの作業は息が抜けない。。己を律していかないと良い物は作れない」と語る。
佐々木さんは旧亀田村生まれ。中学卒業後、新潟県柏崎市の菓子業に弟子入りした。4年間の修業後、札幌市内の菓子店で9年間働き、1973年9月に独立し、函館市内のJR五稜郭駅付近に花園正家を開店。96年に現在地に移転した。
北海道菓子工業組合函館支部の組合長や全国菓子博覧会の審査委員などを歴任し、菓子業の振興や技術力向上に尽力。現在は高校の調理講師も務める。
今年3月16日、菓子製造を指導してくれた柏崎市の恩師が亡くなった。大震災の影響で葬式には出席できなかったが「生きていたら一番喜んでくれたはず」。今回の表彰式後、墓前に受賞報告をするつもりだ。
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