消防無線のデジタル化、桧山町村会が導入時期の延長求める
update 2011/11/9 10:22
総務省は、消防や救急業務に使用する消防・防災無線のデジタル化を2016年5月末までと定めている。しかし、消防署や消防団の無線機など、システムの更新には巨額の予算が必要だ。桧山7町全体では、18〜21億円の費用が見込まれ、厳しい財政状況の中で、各町は億単位の負担を迫られる。桧山町村会(会長・寺島光一郎乙部町長)では、導入時期の延長や財政支援の強化を求めている。
デジタル化に伴い、アンテナ設備の改修、消防署などに配備された各種無線機、消防団員に出動指令などを行う受令機のほか、市街地に火災や災害の情報を放送する防災無線の更新も必要となる。
デジタル化は、都市の電波不足を解消することが目的だが、桧山など町村部では、現行のアナログ方式でも消防などの業務に支障はない。デジタル化で、無線が届く範囲が狭まるなどの問題もある。
期限の16年5月末から逆算すると、2012〜13年度にはシステム設計に取りかかる必要がある。だが、各町とも財源確保に苦慮している。工藤昇上ノ国町長は「町村には恩恵がない。財政難の中で産業振興など、前向きな方向に予算を集中したい」とする。
デジタル化に伴い、政府は消防本部ごとに8000万円の国庫補助金を交付する。しかし、単独で消防本部を運営している自治体も、桧山のように複数の自治体で広域消防本部を設置している地域も金額は一律。小規模町村の負担が大きくなるのが現状だ。
桧山町村会は「全国で数兆円を要するデジタル化は、緊急の課題ではない。東日本大震災の被災地復興に予算を集中すべき」と主張。導入時期の延長や補助制度の見直しを要望している。6日に江差町で開かれた道議会民主党の政策懇談会で、道8区選出の逢坂誠二衆院議員は「期限延長は、法改正を伴うので困難だ。議員立法での対応が必要になる」との考えを示した。
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