10年国勢調査確定値、函館の人口減加速
update 2011/11/7 10:43
総務省が発表した2010年10月実施の国勢調査の確定値で、函館市の人口は27万9127人と、前回(2005年)調査より1万5137人(5.1%)減少した。減少数は道内の市町村最大で、全国でも福岡県北九州市に次いで2番目の多さ。65歳以上の人口も過去最多の4人に1人を占め、本格的な人口減少時代の到来を浮き彫りにした。
市総務課によると、1920(大正9)年の調査開始以来、人口の減少数・率とも最大の下げ幅となった。少子高齢化に伴い、死亡者数が出生者数を上回る「自然減」が加速していることに加え、若者を中心とした市外転出、長引く景気低迷による事業所数の減少などが要因だ。
地域別では、合併前の旧市域が26万5357人で、前回調査時から1万3227人(4.7%)の減少。旧4町村地域では、戸井が368人(10.5%)減の3128人、恵山が559人(13.6%)減の3553人、椴法華が223人(16.9%)減の1095人、南茅部が760人(11.3%)減の5994人だった。
また、年齢別では15歳未満が過去最少の3万474人で人口全体の10.9%にとどまった半面、65歳以上が過去最多の7万6637人で全体の27.5%を占めた。特に旧4町村地域の65歳以上の割合は恵山38.2%、椴法華37・9%、戸井34.6%、南茅部33%と際立ち、3人に1人が高齢者となった。
世帯数も調査開始以来、初めて減少に転じ、前回調査から2231世帯(1.7%)減の12万6180世帯に。1世帯当たりの平均人数も過去最少の前回より0.08人減の2.21人で、核家族化の進行がうかがえる。65歳以上の単身世帯も市内全体で1万7501世帯と、前回から2204人(14.4%)も増えた。
国勢調査結果は、市の歳入全体の4分の1を占める国からの交付税の算定根拠となる。市に配分される本年度の普通交付税は、今回の人口減が響き、当初予算の見込みより約7億3000万円減少した。今後、行財政改革による大幅な歳出削減は不可避だが、高齢化に伴う福祉関連などの業務量や予算はむしろ増加傾向にある。
4日に開かれた民主党渡島地域政策懇談会で、工藤寿樹市長は交付税の大幅な減少に言及し「財政試算では向こう5、6年は毎年50億円の財源不足となる。職員の給与カットなど内部努力の次は市民サービスにもある程度切り込まなければならない」と述べ、人口減への危機感を募らせる。
市の人口推計では、5年後の16年には26万4507人とさらに減少傾向は続くとみる。市財政課も「交付税への依存体質のままでは、行政サービスの低下や市民への負担増を招く恐れがある。行革と併行して人口減に歯止めをかけるための経済振興や子育て支援などの政策展開も必要」としている。
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