北大大学院生が「自習学館」開校…港町北部町会館会員の村松さんら

update 2011/11/5 11:08


教員志望の北大水産学部大学院生らの有志4人が4日、同大と同じ地域にある港町北部町会館(函館市港町3)で、子どもたちが自由に勉強できる場を設けた。問題が解けない児童・生徒を手助けする金曜日限定のボランティアで、「自習学館」と命名。同町会(久保田公雄会長)も快く会場を貸し出した。中心メンバーの一人で町会員でもある村松康太さん(22)は「自主的に勉強する子どもがどんどん生まれれば」と意気込んでいる。

 村松さんは東京都多摩市出身。中学時代、地元のボランティア団体が子どものために自宅に設けていた「自習学館」に通い、教員免許を持つ講師から勉強を教えてもらった。「進路相談もいい思い出。ずっと子どものために何かできればと考えていた」と振り返る。

 同水産学部進学で3年前に函館に来た村松さん。同町会の夏祭りで出会った幅広い世代との交流に魅力を覚え、町会に加入。行事に参加し続ける中、自習学館の構想を打ち明けたところ、久保田会長(74)らが快諾。今年8月から計画を詰め、開校の周知を図ったり、対象の小4〜中3の子どもに参加を募った。

 村松さんの呼び掛けで友人の横地恵一さん(22)、和泉裕志さん(24)、山根慶子さん(20)がスタッフとして参加。初日は町内の小中学生10人が集まり、問題集やノートを広げて思い思いに計算問題や漢字の書き取りに取り組んだ。「割り算が分からない」「この漢字はどう読むんですか」。子どもたちの疑問に、村松さんらスタッフ4人が親身に対応。その場で簡単な課題を作って解かせる臨機応変さも。

 函館港中1年の越尾唯純さん(12)は「自宅だと勉強できないこともあるけど、ここは雰囲気がいいから集中できる」と漢字の練習を繰り返していた。

 久保田会長は「町会に入っている大学生の存在そのものが珍しいばかりか、取り組みも素晴らしい。応援したい」と協力を惜しまない考え。村松さんは「町会員になると横のつながりが生まれるし、場所を借りられたのも互いの信頼関係ができているから」と話す。その上で「活動はどう展開するか分からないけど、半年間試行錯誤を続けた後、成果と課題を整理してもっと軌道に乗せることができれば」と夢を膨らませている。

 自習学館は午後5時〜同7時。参加無料。問い合わせは同町会館TEL0138-43-3292。

提供 - 函館新聞社


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