花園温泉番頭ネコ「グレ」天国へ
update 2011/11/1 15:41
函館市花園町40の「花園温泉」で番頭を務め、人気だったネコのグレ(オス)が10月19日早朝、老衰で亡くなった。いつも寝そべっていたお気に入りの玄関ストーブ横には張り紙が継いだされ、「グレちゃんは天国へ旅立ちました。たくさんのお客様にお世話になりかわいがっていただいて、グレちゃんは幸せでした。今まで本当にありがとうございました」と来客に感謝を伝えている。
グレは元野良猫で、2006年の夏に温泉近くで捨てられているところを笠井トキ専務(75)に助けてもらった。始めは温泉玄関口を出入りするだけで、野良猫と勘違いされて客にスリッパで叩かれることもあった。見かねた笠井専務が「グレは番頭です」と言うと、同温泉の住人として認知されるようになった。
人気に火を付けたのは09年に張り出した紹介ポスター。「職業は花園温泉番頭。勤務時間は朝5時〜夜12時。好きなタイプは、ご飯をくれる人。年齢ヒミツ、自分でも分からない」。テレビや全国紙でも報じられ、今夏には専門雑誌にも登場し、遠方から会いに来る観光客もいた。
昨年10月に体調を崩すと、心配してカニ風味のカマボコを朝に届ける女性や、治療代にとお金を持ち寄る男性、入浴前にエサと水を取り替えてくれる客も増えた。
笠井専務の長女、畑中くみさん(51)は「あんな幸せネコはいない。捨てられて一度は死にかける辛い経験もあったが、最後はみんなに愛されて幸せを招いてくれた。抱っこしたときの鳴き声が忘れられない」という。
花園温泉では、駐車場付近から出る湯気で暖を取ろうと近所のネコが身を寄せることが少なくない。これを見て、段ボールにネコを入れて置き去りにする人もいるという。笠井専務と畑中さんは「命あるものを粗末にせず、すべてのものに愛情を持ってほしい。天国のグレもきっと同じ思いだと思う」と話している。
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