せたな太田神社の旧本殿 高穂神社に移築
update 2011/10/31 22:47
せたな町大成区の太田神社で、1923(大正12)年に造られ、76年まで使われていた本殿(幅2・2メートル、高さ2・6メートル)が28日、函館市上湯川町2の高穂神社(沢口広宮司)境内に設置され、入魂式が執り行われた。沢口宮司(60)は「神道の理念はよみがえることにあり、関係者の力で実現したことは大変ありがたい」と話している。
太田神社は嘉吉年間の1443年創建。本道最古の山岳霊場として、航海の安全などで信仰されている。本殿は標高差約320メートルという急こう配の石段を登った先の、岩穴の中にある。76年に本殿を改装する際、函館市の社寺建築設計施工の原田組(原田徹社長)の創業者・故原田仙蔵さんが解体し、引き取った。沢口宮司の調べで、本殿の置かれていた碑(いしぶみ)に、大正12年4月に造られたことが記されていたことが分かった。
原田組3代目となる原田社長(51)によると、仙蔵さんはケヤキなどで造られた本殿の組み方を研究するため、仕事の合間をみて3年の年月を掛けて自身で復元し、会社に置いていた。高穂神社の祭神の一つに太田神社の祭神(猿田彦大神)があり、沢口宮司が2010年の神社創建30周年の記念事業の一環として境内に迎えたいと考え、原田組に依頼し、実現した。
沢口宮司は「初代の原田さんが復元し、2代3代と守ってこられた本殿が、また大勢の人にお参りいただけるようになったのは、神のおぼしめしがあったと思う」と話す。沢口宮司が神職に就く前の10代の時、3夜にわたり、太田神社の神が夢枕に現れたというのである。「あの時から、第2の居場所として、私の所と縁があったかもしれない」と感無量の表情で話していた。
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