明治記念綜合短歌大会 芹沢さん特選
update 2011/10/31 22:46
函館市在住の芹沢伸子さん(62)がこのほど、東京の明治神宮参集殿で開かれた明治神宮秋の大祭奉祝・第125回明治記念綜合短歌大会で、献詠総数3231首の中から特選歌10首に選ばれた。道内からの入賞は芹沢さんだけで、「母の故郷の福島県を訪ねて感じたことを素直に詠んだ。感慨深い受賞です」と喜んでいる。
同大会は、明治神宮の春秋の大祭に合わせて行われている伝統の歌会。選者や大会委員は、宮中歌会始の選者にもなる歌人で構成される。
特選作は「FUKUSHIMAとなれど福島は亡母の里そよぐ青田の匂ひ変はらず」。今年6月、20年前にこの世を去った母・ユリさんの古里の福島県喜多方市を訪ねた際、原発事故の以前と変わりなく、風にそよぐ田んぼの様子に感銘を受けて詠んだ。「原発事故で、福島が世界各国で騒がれていたのを知ってローマ字表記にした。行く前は緊張していたが、母が愛した福島の、変わらない風景にジーンときた」
芹沢さんは、ユリさんが短歌をたしなんでいたことで自らも興味を持ち、20年前に始めた。同大会への応募は3度目で、以前佳作に入った経験はあるが、特選は初めて。23日に行われた献詠披講式では受賞者で唯一、神殿に玉ぐしをささげる大役を務め、「厳かな雰囲気に圧倒された。人生最良の日」と笑顔を見せる。
現在は長風短歌会に所属し、地域の歌会に積極的に参加している。「これからも短歌を続け、この歌を詠み続けていきたい」と話している。
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