江差線五稜郭―木古内間、道がバス転換提案へ
update 2011/10/28 11:59
2015年度の北海道新幹線開業に伴い、JR北海道から経営分離される江差線五稜郭―木古内間(37.8キロ)について、道は27日までに同区間のバス転換を沿線自治体に提案する方針を固めた。ひっ迫する道の財政状況を踏まえ、道と沿線自治体の財政負担が最も少ないことから判断したとみられる。31日に函館市内で開かれる、道と函館、北斗、木古内の3市町でつくる道南地域並行在来線対策協議会で正式に提案する。
道はこれまでの協議で、第3セクターによる全区間の鉄道運行や、上磯駅を境とする鉄道・バスの折衷、全区間バス転換など5案で収支予測を示してきた。
鉄道の場合、初期投資を含めた財政負担額が30年間で69億5000万円、累積赤字が40億6000万円に上ると試算。一方、バス転換では15億9000万円、1億7000万円と開きがある。道財政の厳しさに加え、新幹線の効果が少ない道東や道北など、他地域とのバランスに配慮した格好だ。
道は31日の協議会でバス転換の正式提案とともに、道と3市町の負担割合を1対1とすることを示す考え。
協議会では本年度末に方向性を出すことにしているが、北斗市は函館への通勤・通学客の多さや、定時性、安定性に優れている点から鉄路存続の姿勢を堅持しており、函館市は「北斗市の決意次第」として、意向を尊重する方針。木古内町は、地元負担割合が示されるのを待って判断するとしており、路線をめぐる対応は分かれている。
また、同区間は道内と本州を結ぶ貨物輸送の鉄路が残る見通しだが、その場合の鉄道資産の所有先など、貨物輸送の方策は決まっていない。このほか、札幌延伸時における函館駅―新函館駅(仮称)の経営分離問題にも影響を与えるだけに、結論までにはなお難航が予想される。
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