「津波避難ビル」追加確保へ 市防災会議幹事会

update 2011/10/27 10:05


 函館市の災害時の対応や防災対策を担当者レベルで協議する「第2回市防災会議幹事会」が26日、市役所で開かれた。東日本大震災の対応で浮かび上がった課題を踏まえ、道が年度内にまとめる津波浸水想定の見直しに伴い市の津波避難計画を来年度に策定し、それまでの間、避難場所を新たに確保するなど独自の対応に乗り出すことを決めた。

 幹事会は市の地域防災計画を作成する市防災会議の下部組織で、8月下旬に開かれた初会合に続き2回目。今回は地元の関係機関から約40人が参加し、市が震災対応への検証で浮き彫りとなった避難体制などの課題70項目をまとめ、見直しが必要な対応方針案を報告した。

 最重要課題の津波対策では、市は正式な津波避難計画策定までの暫定措置として、緊急的に一時避難できる民間ホテルなどの「津波避難ビル」を現在の4カ所から追加することや、旧4町村地区などで避難所まで海沿いを長距離移動する人を対象に「一時避難適地」を確保することを盛り込んだ。

 また、大津波発生時に標高の低い津波避難所については、少なくとも標高10b以上を確保できるよう建物内の避難スペースを「3階以上」にすることも決めたほか、市の来年度予算に旧4町村地域を除く市内の海沿いの地区に防災無線を新たに整備する費用を盛り込む考えも示された。

 このほか、津波対応では避難区域から避難所までが遠い市民向けに民間施設を活用することや、非常食などの災害備蓄品について、常時配備されている避難所を分散化することなどが盛り込まれた。市の見直し案は承認され、12月の幹事会で素案が示され、来年3月に正式に策定する予定。

提供 - 函館新聞社


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