函館の震災支援活用で初 日本アレフが工場新設
update 2011/10/22 10:36
電子部品製造の日本アレフ(東京、堀之内英社長)が、函館市の工業団地「函館テクノパーク」(桔梗町)に工場を新設することが決まった。10年間土地を無償貸与するなど東日本大震災の被災企業への市の支援策を活用した工場進出としては初めて。製造ラインのリスク分散に向けて来年早々に工場2棟を建設し、函館の水産資源を活用した新規事業にも乗り出す。
同社はセンサーやスイッチなどの電子機器メーカーで、2010年12月期の売上高は約70億円。神奈川や宮城、福島、兵庫のほか、中国に生産拠点があり、函館が国内5カ所目の工場となる。昨年4月には函館テクノパーク内に研究所を開設している。
新工場はテクノパーク内の工業用地3区画計約6000平方メートルに7〜9億円かけて建設。震災で一部被災した仙台と会津工場で生産する防犯センサーやプラスチックの成型加工品などの一部工程を移管するほか、産学連携によるホタテやコンブなどを活用した調味料や添加物の製品化も目指す。
市は6月から、災害救助法が適用された地域に事業所を置く企業などを対象に市内3カ所の工業団地の土地を10年間無償で貸与する制度を設け、今回が適用第1号となる。減免額は年間200万円以上となる見通し。早ければ年明けに着工し、来年度には稼働する予定。
市によると、今回の工場進出で新たに約30人の雇用が見込まれるという。片岡格副市長は「地域資源を活用した新規事業に市としても期待している。地域の研究機関と連携した取り組みを進めてもらい、地域振興やさらなる雇用につながれば」としている。
同社は新工場でセンサー関連では年間5億円の生産額を目標とし、水産関連の食品分野でも年間5億円の売り上げを目指す考え。同社は「市の支援制度はありがたい内容で、函館の地域活性化にとどまらず、函館発のものづくり技術を世界に発信したい」(社長室)と話している。
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