原発防災圏30キロに拡大、函館も対象「当然の措置」
update 2011/10/21 10:12
国の原子力安全委員会の作業部会は20日、原子力発電所の事故に備え、原子力防災対策を重点的に講じる地域の範囲(現行のEPZ)を、半径8〜10キロから30キロ圏内に拡大する見直し案をまとめた。青森県大間町で建設中の大間原子力発電所から最短で23`離れた函館市の一部も、対象地域に含まれる。工藤寿樹市長は「福島第一原発の事故を踏まえると、範囲拡大は当然。大間原発をあくまで無期限凍結すべきというスタンスは変わらないが、今後も国の動向を注視したい」とするコメントを発表した。
市総務部はこの日、会見を開いて見解を説明。上戸慶一部長は範囲拡大案を受け「原子力安全委と同じ結論になった認識はある」としたが、同原発が建設を中断している現状から、早急に原子力防災計画を策定する考えはないと強調。同部長は「計画を作ることで、建設を再開してもいいととられかねない。同原発が指定を受ければ稼働につながりかねない」と述べ、慎重に対応する考えを示した。
市は、原発周辺自治体と電力会社との安全協定の締結事例など関連情報の収集に努める一方、防災対策重点地域と地元合意が求められる範囲が違うことから、同部長は「直接的には関与できない状態。計画中の原発をどうするか、国の判断が必要」とし、共同歩調を取る北斗市や七飯町との連携を強める方針。
また、工藤市長が19日、周辺市町村との同意を得ずに建設を進めるなら、司法手段もあり得るとの見解を示したことについては、今回の見直し案とは直接の関係がないとし、上戸部長は「(生存権に関して)自治体が提起する例はない。原告としての適格があるかどうか検討を進めている」と述べた。
工藤市長は大間原発建設に対し、6月に経済産業省や事業者の電源開発(東京)を訪問して無期限凍結を要請。8月末には大間町の工事現場を初めて視察。視察後の市議会では高さ3bの防潮壁設置などの安全対策を「付け焼き刃的」と批判している。
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