タウン誌「街」廃刊へ、50年の歴史に幕
update 2011/10/20 11:56
函館の老舗タウン誌「街」が、創刊50年を迎える来年秋に廃刊する。函館の作家、木下順一さん(1929〜2005年)らが創刊し、木下さん亡き後も有志が引き継いで発行を続けたが、来年10月発行予定の536号でピリオドを打つ。
「街」は62年に「函館百点」として月刊誌で創刊した。78年から「街」に誌名を変え、04年には500号を達成。翌年の05年、木下さんの決断で、通算510号で休刊した。
その年、木下さんは亡くなったが、雑誌に寄稿していた西野鷹志さんや、表紙の撮影に協力してきた吉岡直道編集長、休刊前の編集メンバー2人の計4人が遺志を継ぎ、季刊誌として再出発した。
復刊後、年4回発行し、約60ページ、定価350円で販売。木下さんが執筆していた人気コラムは無くなったものの「函館開港150年」などをテーマにした座談会や市民エッセー、人物紹介などを通して函館の今の姿を伝えてきた。今月、532号を発行した。
だが、編集スタッフのほとんどが60歳以上で、他の仕事を掛け持ちしながら編集作業を続けている。体制の課題に加え、近年は広告、販売収入の落ち込みも響いていた。
吉岡編集長は「信念と好奇心を持って続けてきたが、そろそろ限界を感じていた。けじめを考えた時、創刊50年の節目が引き際と思い決断した」と話す。
最終号に合わせて50年史を出すことを検討しており、吉岡編集長は「最後まで街らしいスタンスを守っていきたい」と話している。
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