大間原発建設、同意なしに再開なら工藤市長「司法手段も」

update 2011/10/20 11:56


 函館市の工藤寿樹市長は19日、電源開発(東京)が青森県大間町に建設中の大間原発に反対する市民団体との懇談で、「周辺市町村の同意を得ずに進めるなら、場合によっては市が原告になってまで司法手段もあり得る」と述べ、このまま建設が再開されれば市として法的措置も辞さない考えを明らかにした。

 この日は大間原発訴訟の会(竹田とし子代表)、ストップ大間原発道南の会(大巻忠一代表)、函館・「下北」から核を考える会(矢尾板和子、大場一雄共同代表)の3団体のメンバー10人が、工藤市長と能登谷公市議会議長をそれぞれ訪問した。

 懇談で竹田代表らは21日に国に提出する大間原発の建設許可の取り消しを求める署名が16日現在、函館市内外から計4万7494人分集まったことを報告し、「函館市民で1万人が目標だったが、その倍の方々に署名いただいた。国や道にも働きかけて無期限凍結を実現してほしい」と訴えた。

 これに対し、工藤市長は被害が広範囲に及んだ福島第一原発事故を踏まえ、原子力について「事故が起きてしまえば人間には制御できない悪魔のエネルギー」と批判。大間原発の建設再開については「憲法で保障された市民の生存権を脅かすことになりかねず、(立地自治体だけでなく)30キロ圏、50キロ圏の周辺市町村の同意が必要だ」との見解を示した。

 3団体のメンバーは21日、経済産業省を訪れ、これまでに集まった署名を提出するほか、電源開発でも建設中止を求める考え。

提供 - 函館新聞社


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